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貧困者と奨学金の大卒者が自衛隊入隊→戦地の動きが現実に起きている!

構成=林克明/ジャーナリスト
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貧困者と奨学金の大卒者が自衛隊入隊→戦地の動きが現実に起きている!の画像1「Thinkstock」より

 4月30日に早稲田大学で行われた「学生と戦争 - 経済徴兵制をぶっ潰せ! -」の第2弾は、『経済的徴兵制』(集英社新書)の著者であるジャーナリストの布施祐仁氏による講演だ。

 軍隊が貧困や経済的格差を利用し、徴兵制のように安定的に兵員数を確保するシステムが「経済的徴兵制」である。アメリカではかなり進み、貧しい若者が入隊してアフガニスタンやイラクの戦争で犠牲になってきた。

 日本でも、自衛隊発足当初から所得の低い階層や地域から多くの若者が入隊してきたが、今後は安全保障法制によってその意味合いが変わっていく。この点を、自衛隊内部文書や自衛官と元自衛官を多数取材した経験を踏まえ、布施氏が語った。以下、布施氏の講演を紹介する。

安倍首相の「徴兵制にはならない」は信用できない

 昨年、安保関連法が成立したことで、実際に海外で戦死者が出れば自衛隊への入隊志願者が大きく減り、将来は日本に徴兵制が導入されるのではないかという不安が持ち上がってきました。一方、政府は「徴兵制になることは絶対にない」と否定しました。

 安倍晋三首相は、日本が徴兵制にはならない理由のひとつとして「憲法に書いてあるから」と言っています。憲法の解釈を変えた人が、「憲法に書いてある」と言っても安心できません。

 さらに安倍首相は、「現代の戦争は非常にハイテク化されているため、徴兵で素人をたくさん集めても使えない」とも述べています。では、自衛官募集の実際を見てみましょう。

 2014年度の自衛官の採用者数は、一般幹部候補生292人、一般曹候補生4457人、自衛官候補生8239人。自衛官候補生というのは、自衛隊における有期雇用、非正規雇用といっていいでしょう。基本は任期制で、2~3年で勤務は終わりますが、その後に継続することもあります。

 それに対して、一般幹部候補生と一般曹候補生は、定年まで自衛隊に勤めるプロのコースです。素人の兵隊が不要であるならば、6割を超える自衛官候補生を集める必要はないはずです。

 かつての戦争とは形態が変わったとはいえ、軍事作戦にはプロの「職業軍人」だけでなく、若い「兵隊」が絶対に必要なのです。

 しかし、若い兵隊の確保は、これから極めて厳しくなるといわれています。その一番の理由は、少子化です。自衛隊は、このまま少子化が進めば近い将来には採用目標が達成できなくなるという危機感を持っています。その上、安保法制の施行が加わると、より自衛官の募集は厳しくなるでしょう。

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