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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

ミシンのブラザー、驚異的「ダーウィン進化論」経営!主力事業をコロコロ替え百年成長持続

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

最後に生き残るのは「変化に対応した企業」

–以前も「ブラザーグループを変化対応力に優れ、価値を生み出すチームにしたい」と話していました。

小池 ブラザーは創業して108年になりますが、これまでも主力事業をミシンから、タイプライター、プリンターなどに変化させてきました。別の事業が完全にとって代わったというよりも、事業への上乗せのかたちで企業規模が拡大したのです。

 社長に就任した10年前も、社内のすべてのリソースを掘り起こすよう呼びかけました。そのなかから工作機械も大化けして高収益事業となったのです。それもまた変化です。

 結局、世の中で生き残る者は、身体の大きい者でも強い者でもなく、変化に対応できた者です。進化論を唱えたダーウィンの『種の起源』のような話ですが、状況を見据えて変化への対応を続けることで、企業も従業員も生き残れると考えています。

–ありがとうございました。

 小池氏は非創業家出身だが、若手時代から「オレがやらねば誰がやる」の意識が高かった。44歳で米国の販売会社社長に就任して実績を残し、51歳でブラザー本体の社長に就いた。社内の情報発信にも力を入れ、10年前から続く社内ブログ「テリーの徒然日記」では、仕事への思いも語ればプロ野球観戦の話も披露する。社員との距離感を縮める手法だが、「社長が何を考えているかわからない」とならないよう努めているのだろう。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

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