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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

毎年がん検診受けても進行がん罹患…検診受けなくても「差はなし」との調査結果も

文=新見正則/医学博士、医師

 非常識君は、「だからがん検診も、もしかしたら大して意味がないことをやっているかもしれないではないですか?」と言っています。

 そこで常識君が答えます。

「がん検診を受けても患者さんにほとんど健康被害はありません。一方で手術は大きな手術と小さな手術では、体の負担も精神的負担もまったく異なります。つまりがん検診は試しに受けてみればいいのです。ましてや、保険診療ではなく基本は自費診療なので、健康に関心が高い人が、受ければそれでいいのではないですか。ただ、将来がん検診を受けた群と受けない群のどちらが本当に長生きかを知りたいですね。ですから今流行のビッグデータ化をして、その2つの群を比べれば、くじ引き試験をしなくても数十年後には本当のことが判明しますよね」

マスメディアの報道姿勢

 ここで極論君の出番です。「毎年がん検診を受けても進行がんが見つからなかったのだから、毎月がん検診を受ければいいのです」。確かにそうですね。自費診療なのですから乳がんを絶対に早期発見したい人には毎月のがん検診も選択肢になるのでしょう。多くの人はそんな極まれなリスクを除くために毎月がん検診を受けるという選択はしないと思いますが。

 次に、「乳がんの治療で18カ月も入院することは通常あり得ない」と常識君がコメントします。その通りです。非常識君が「なんか特別な治療でもやっていたんじゃないの?」といえば、極論君は「治療をしているのを見つかりたくないから入院していたんだよ。マスコミから隠れるために!」とマスメディアの報道姿勢にも発言が及びます。

 常識君は、「芸能人でも病気のことは報道しなければいいのに。病人がかわいそうだ!」と言います。非常識君は「芸能関係者の日常生活はいろいろと報道されるのだから、それは宿命と思って受け入れるしかない」という意見です。すると極論君はこう言います。

「マスメディアを日頃から立身出世、その後の栄達、立場の維持などのために利用している人は、彼らの病気が視聴率や販売数に利用されても致し方ない。芸能関係者でも、日頃からメディアを自分の利益のために利用していないのであれば、病気のこともほんの控えめに、またはまったく伏せてあげてもいいのではないか」

 いろいろな意見がありますね。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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