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木村隆志「現代放送のミカタ」

ファンキー加藤と円楽の不倫釈明、絶賛会見の裏で犯した唯一のミスとは?

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
ファンキー加藤と円楽の不倫釈明、絶賛会見の裏で犯した唯一のミスとは?の画像1「Thinkstock」より

 先週行われたファンキー加藤三遊亭円楽の謝罪会見が、いまだ物議を醸している。その最たる理由は、過ちを犯した2人への寛容な声が思いのほか多かったから。ベッキー、宮崎謙介元衆議院議員、乙武洋匡、石井竜也らの謝罪時と比べると、好意的な声が目立つのは間違いない。

 実際、ファンキー加藤の謝罪会見に、『白熱ライブ ビビット』(TBS系)のご意見番・中田敦彦(オリエンタルラジオ)は「見本みたいな事後処理ですよ」とコメントし、『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系)でも、レポーターが「街の声は『わりといいんじゃない?』だった」と話したほか、笠井信輔アナが「『なるべく誰も傷つけないようにしよう』という冷静な会見」と語るなど、理解を示した。

 一方、円楽の謝罪会見に対しても、『とくダネ!』の小倉智昭が「いつもの笑点よりはるかに面白かった」と評し、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)の宮根誠司が「これだけリポーターが聞き入る会見はない。すごいテクニックですね」と称えていた。

 はたして、2人の謝罪会見は本当に正しい方法で行われていたのか? 芸能解説の専門家として、また、クライシス・コミュニケーションの冊子を手がけた経験から、芸能人の謝罪会見について掘り下げていく。

謝罪会見の鉄則とベッキーの大失敗

 そもそも、芸能人に限らず、謝罪会見の場では「質問になんでも答える」「嘘をつかず、言い訳をしない」のが第1と第2の鉄則。ベッキーへの猛バッシングは、「この鉄則を破ったことが、日本中の人々に伝わってしまったから」にほかならない。加藤と円楽はこの点をクリアしていたし、とりわけ円楽は記者からの謎かけにまで答えていた。

 3つ目の鉄則は、「感情的にならず、冷静に語る」こと。かつての“号泣議員”ほどではなかったものの、桂文枝の謝罪会見は「妻に申し訳ない」と大泣きしてしまったため、記者も視聴者も引かせてしまった。

 見る人に「『起こった事実を受け止め、罪を噛みしめている』と感じさせる」ためには、ただ一生懸命なだけではダメであり、加藤と円楽はこの点もクリアしている。特に加藤は、記者の目を見て誠実に向き合おうとする姿で、謝罪の意識を感じさせた。

 4つ目の鉄則は、謝罪会見の前に「初動対応として、被害者への謝罪を済ませている」こと。「謝ろうと思っている」「慰謝料を払うつもり」ではなく、会見の場で「被害者に謝罪した時、どんな反応をしていたか」、記者にはっきり話せるようでなければ厳しい。

 ベッキーが大打撃を食らったもうひとつの理由は、「謝る相手を間違えたこと」だった。仮に「友達で押し通す予定!(笑)」だったとしても、不倫を誤解させたことに違いはなく、簡単に疑いが晴れるわけではない以上、誰よりも先に被害者である川谷絵音の妻に謝っておかなければいけなかった。もし「謝罪した」という事実があって会見に臨んでいたら、(嘘だったにせよ)もう少し発言を信じてもらうことができただろう。

 加藤は妻や不倫相手の元夫・柴田英嗣(アンタッチャブル)に、円楽は妻や落語関係者などに謝った上で会見に臨んでいたため、この鉄則もクリアできていた。

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