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前川修満「会計士に隠しごとはできない」

ワタミ、「全従業員に対する過重労働再発防止策」制定でブラック企業&経営危機脱出へ

文=前川修満/公認会計士・税理士、アスト税理士法人代表
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 つぎに、10年を除いて季節ごとの業績をみてみると、10~12月の業績がもっとも良好です。赤字経営に突入した13年度においても、10~12月は1億6500万円の黒字になっています。また、最大の赤字を出した14年度においても、10~12月の赤字が最も小さく(3億5100万円)なっています。これは、国内外食では忘年会シーズンもある12月が一番の稼ぎ時だということを示すものです。

再出発した後はどうなったか

 
 ワタミは前述の訴訟において、15年12月に和解しました。これに前後して、介護事業を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに210億円で売却しました。したがって、ワタミは16年1~3月期において、新しいスタートラインに立ったといえます。この時期の国内外食のセグメント利益は1100万円の黒字です。1~3月期の国内外食では、13年度が18億4100万円の赤字、14年度が9億9400万円の赤字だったので、15年度は3期ぶりの黒字という結果となりました。もちろん、その成果は微々たるものであり、この先も余談の許さない経営が続くでしょう。

 しかしながら、訴訟の和解を機に、ワタミは復活の足掛かりをつかんだ可能性があります。なにより、この時期に赤字をストップさせたことは有意義でした。

 この先、ワタミが「ホワイト企業」となって再生に成功することは、社会的には外食産業におけるブラック企業を排除する働きをします。そのような点で、筆者はこれからのワタミの経営には注目すべきこと大であると断言したいと思います。
(文=前川修満/公認会計士・税理士、アスト税理士法人代表)

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