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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

タバスコ、サランラップ…なぜ固有の商品名が一般的総称に?なぜ富士重はスバルに社名変更?

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

増加する「二匹目のどじょう狙い」

 だが、最近はそういった商品がめったに登場しないのも事実。アイディアが出尽くしてしまったわけではなく、違う理由があると有馬氏は語る。

「新たな市場を開拓するためには、企業は多くのエネルギーを必要とします。しかし、今はどのメーカーも新しいことにチャレンジするほどの余裕がないのが現状でしょう。売れるかどうかわからない新しいものをつくって一か八かの賭けに出るよりも、従来あるものをアレンジして利便性を上げた類似商品を開発しよう、という考えになりがちです。そのため最近では、ブランド名が総称となりうるようなケースが少なくなっているのではないでしょうか」

 アメリカ発の「ルンバ」(アイロボット・コーポレーション)が定着した例はあるものの、やはり高度経済成長期に生まれた数々の便利商品群に比べると、やはり市場を独占するような商品が現れることは少ない。そして、これは物的な商品に限ったことではない。

「書籍や映画、ドラマ、ゲーム、音楽などのエンタメの分野でも同じような状況です。企画を通しやすくなるから仕方がないのかもしれませんが、大ヒットした作品が生まれれば、『二匹目のどじょう』を狙って同じようなテーマや設定の作品が増殖します。このように、商品・サービス双方とも不景気が続くと失敗しないように無難な企画しか出さない開発担当者が増える傾向があるといえるでしょう。しかし、消費者の生活スタイルを変える革新的な商品を開発する姿勢が企業を成長させる原動力になることも忘れてはなりません」

 終戦直後の何もないところから、かつての日本の企業は失敗を恐れずにいろいろなものを作ってそれをどんどん普及させてきた。日本を再び元気にするためには、各企業はモノづくりの原点に立ち返り、冒険心を持って画期的な商品を開発してほしいものである。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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