ドル箱だった羽田空港アクセス線も安泰とはいえない。東京オリンピックを控え、東日本旅客鉄道(JR東日本)などが新線構想を打ち出したからだ。

 JR東日本が計画する、都心と空港を結ぶ羽田空港アクセス線は、貨物用の線路を使い羽田空港から東京駅、新宿駅、臨海部の3方向へ直通で行けるようにするというものだ。

 一方、京急がかかわる新線構想は2つある。ひとつは京急蒲田駅と東京急行電鉄蒲田駅を結んで羽田空港に乗り入れる新空港線(蒲蒲線)。もうひとつは、都営地下鉄浅草線に京急が乗り入れている泉岳寺駅と京成電鉄押上線押上駅を直結させ、羽田・成田両空港を鉄路でつなげる都心直結線だ。

 しかし、蒲蒲線は京急と東急の線路の幅が異なるという技術的な問題がある。都心直結線もこれまでに、何度も浮かんでは消えた構想だ。JR東日本が計画する羽田空港アクセス線のほうが、はるかに実現性が高いといわれている。羽田空港アクセス線はJR東日本の新線構想で競争が激化するだろう。

お台場のホテルを売却して、品川再開発に経営資源を振り向ける

 京急は事業の大改造計画をぶち上げた。21年3月期までの5年間の中期経営計画で、利益の6割を鉄道に依存する収益構造の是正を目指す。

 JR品川駅と田町駅の間で行われる都心最大級の再開発が19年度に始まる。京急は6万平方メートルの所有地が対象になる。この間、駅ビル「ウィング高輪EAST」や駅前の複合ビル「シナガワグース」などの賃料収入が入らなくなる。

 京急は中期経営計画で、5年間に2600億円の設備投資を実施するとしている。投資負担と賃貸収入の減少にどう対処するのか。その原資とするために、東京・お台場のシティホテル「ホテル グランパシフィック LE DAIBA」を5月、不動産大手ヒューリックに650億円で売却した。ヒューリックはホテルオークラにホテルの運営を切り替えた。

 グランパシフィックは地上30階、地下3階建てで、客室数は884。新交通ゆりかもめの台場駅に直結し、羽田空港からは直通バスで20分の好立地だ。

 京急は05年に同ホテルを日本生命保険から取得。室料は安い部屋で1泊1万円前後と周辺ホテルの半分以下で運営してきた。東京オリンピックをにらんだミニバブルで都心の地価や物件の価格が上昇しており、京急は今が売り時と判断した。

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