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蒲谷茂「自分のからだは自分で守る」

運動しないと極めて人体に危険!寿命短縮、がん等の病気や筋肉&内臓に障害の恐れ

文=蒲谷茂/医療ジャーナリスト
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運動しないと極めて人体に危険!寿命短縮、がん等の病気や筋肉&内臓に障害の恐れの画像1「Thinkstock」より

 ミトコンドリア。生物の教科書で学んだと思うが、ミトコンドリアは私たちの細胞ひとつひとつに存在して、エネルギーをつくりだしている。ミトコンドリアがなかったら、体は動くことができない。呼吸もできない、心臓も動かない。これほど重要な器官なのだが、その実態は今でもあまり明らかになっていない。

 ミトコンドリアは、すべての細胞にある。平均してひとつの細胞に300個から400個存在し、その総数は1京個(1兆の1万倍)。体全体でミトコンドリアがどのくらいあるかというと、体重の1割はミトコンドリアではないかといわれている。

 とくにエネルギーをたくさん使う細胞ほど、ミトコンドリアの数が多い。たとえば、1分間に60回から70回拍動している心臓の筋肉細胞には、ミトコンドリアがびっしりとついている。ちなみに心臓は、24時間で約10万回拍動している。それを死ぬまでくり返している。体の中で一番よく動いている筋肉である。

 心臓以外で比較的ミトコンドリアが多いのは筋肉である。筋肉も体を動かすためにあるから、ミトコンドリアも多い。

 さらに最近、ミトコンドリアがエネルギー源をつくっているだけでないことが次々とわかってきた。老化した細胞を除去する働きがあることがわかってきたのだ。

 年齢とともに、筋肉が衰えていくことが問題になっている。サルコペニアといわれるが、筋肉の量そのものが減っていくのである。もちろん、運動を欠かさないという人は別だが、特別に運動をしていないと、筋肉の量は20代をピークに30代からほぼ10歳ごとに5~10%ずつ少なくなっていく。80代になると筋肉の量が20代の約半分になってしまう。筋肉が減れば、ミトコンドリアも当然減っていく。

ミトコンドリアを分裂させよう

 ミトコンドリアは障害を受けた、問題のある細胞を自然に死滅させることを手助けしていることがわかった。アポトーシスというが、もしこれが働かなくなると、取り除かれるはずの細胞が居座り、体にたいへん有害な事態を引き起こす。がんなどもその例といえるだろう。

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