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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

3年後に完成する新築マンションを今買うのは危険?ローン月5万増、資産価値暴落の恐れも

文=山下和之/住宅ジャーナリスト

 いま6800万円の新築マンションを買ったとして、3年後に引渡しを受けたあと、5年後に相場が1割下落していたとすれば、中古マンションの価格としてはもっと下がる可能性があります。6800万円の新築マンションが、5年後には6000万円を切って、5000万円台の価値に下がっていることだって十分にあり得ます。

 断っておきますが、これはあくまでも一般論であって、特定の物件について論じているわけではありません。

3年後の金利は一体どうなっているのか

 
 そんな物件を高い金利の住宅ローンで買わなければならないリスクも見逃せません。というのも、住宅ローンの金利は売買契約時の金利ではなく、物件完成後に建物の引き渡しを受けて、融資実行時の金利が適用されるからです。このケースの場合には、3年先の金利が適用されるということです。

 16年6月現在、各種の住宅ローン金利はほぼ過去最低水準にあります。ということは、基本的にはこれ以下に下がる確率は低く、むしろ上がる可能性のほうがはるかに高いといわざるを得ません。景気さえ順調に回復すれば短期間で1ポイント、2ポイントのアップもないとはいえません。

 バブル期の住宅ローン金利は7%、8%が常識でした。もうそんなことは考えられないでしょうが、それでも景気次第では金利上昇も十分にあり得ます。

 過去の例を、フラット35でみてみましょう。05年5月には2.15%だったのが、09年5月には3.07%を記録したことがあります。4年間で1ポイント近く上がった計算です。このときは景気がさほどいいといえる環境ではなかったですから、景気回復が軌道に乗って金融緩和政策にピリオドが打たれれば、こんなレベルではおさまらないでしょう。3年後には1ポイントどころか2ポイント程度上がっていても決しておかしくありません。

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 最多価格帯6800万円の住戸を、自己資金1800万円、5000万円のローンを組んで買う場合、金利1%で借り入れられれば、35年元利均等・ボーナス返済なしの毎月返済額は14万1142円です。それが2%になっていると16万5631円に増え、3%では19万2425円です。1%と3%の差は月額5万1283円、35年間の総返済額では実に2153万8860円もの増加です。

 それでいて先に触れたように相場が1割も下がっていたりすれば、文字通り踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂になってしまいます。

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