元プロ野球選手の清原和博氏に覚醒剤を譲り渡したとして、覚醒剤取締法違反(譲渡)に問われた群馬県の密売人・小林和之被告の第2回公判が15日、東京地裁であった。検察側は小林被告に懲役3年を求刑し結審したが、この裁判の詳細はほとんど報じられていない。本サイト編集部が実際に傍聴し、ワイドショーやスポーツ紙が報じなかった、号泣あり失笑ありの法廷の詳細をレポートする。
この公判では、先月9日に保釈された小林被告が同月下旬から群馬県の料理店で板前をしていることが明らかになった。現在、週6日・1日10時間、腕を振るっているといい、18歳から料理人をしているそうだ。
証人尋問で証言台に立った同料理店の経営者男性は、小林被告について「今まで(雇った料理人)にない最高レベル」「今後は料理長としてやっていただきたい」と絶賛。ただ傍聴席からは小声で「犯罪者の料理を食べたいか」という指摘が漏れた。
検察側から、事件を起こした人物を雇うことをどう思ったかと聞かれ、経営者男性は一瞬、言葉に詰まり、「飲食業は人手不足。こんな事件を起こしても腕が良ければいいのかなと思った」と正直に供述。猫の手も借りたいのが本音なのだろう。
証人尋問では小林被告の元妻も出廷。元妻は涙ながらに情状酌量を訴えたが、裁判官は至極冷静だった。元妻でありながら小林被告とは現在同居しているという奇妙な関係について、元妻は「ケンカした経緯で離婚届を……」と離婚に至った経緯を説明しようとした。ところが、裁判官は「そういうのはいいです」と、公判の内容とは関係ないとして、元妻の供述をいなす。夫婦ゲンカの勢いで離婚届を出してしまったようだ。
元妻は弁護人から、同居しているのなら小林被告が清原に覚醒剤を譲り渡していたことに気づかなかったか聞かれると、突然涙を流し始めた。その当時、元妻は精神的に疲弊していたそうで「ここ1~2年、(何者かから)郵便物を盗まれたり、誰かにつけられたりした」「主人(=小林被告)の口座に(何者かが)ハッキングしている証拠を見つけた」と号泣しながら供述したのだ。
これも裁判官が「はい、もういいですよ」とあっけなく制したため詳細は不明。今回の事件には暴力団が控えており、小林被告とトラブルになった反社会的勢力が、小林被告の行動をつぶさに監視していた可能性がある。