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清水和夫「21世紀の自動車大航海」

タカタ「殺人」エアバッグ、あなたの車も搭載の可能性大…数百万台がそこら中を走行

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 その調査結果が今年5月に公表された。アメリカ政府は3つの独立した機関に同じ調査を依頼していたが、結論はどれも同じような内容であった。それは「問題となっているタカタエアバッグに使われる硝酸アンモニウムが長期間にわたって温度や湿度の変化にさらされると、異常な爆発を起こす可能性がある」ということであった。

 これを受けて米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は乾燥剤が使われていないエアバッグ4000万個を追加リコールとし、従来のリコール数と合わせると、その数は6000万個以上(クルマの台数ではない)となる。対象となったエアバッグは19年までに乾燥剤入のエアバッグに交換しなければならない。

 アメリカ政府と連携する日本政府は乾燥剤が使われていないタカタ製エアバッグを搭載する車両約700万台を追加リコールした。これまでに積み重ねたリコール車両1260万台と合わせると、トータルで約2000万台に拡大する。国土交通省は製造年などの条件で段階的にリコールするスケジュールを発表しており、18年3月末までにはすべてのリコールが完了する予定だ。さらに、これまでのリコール改修によって、乾燥剤が入っていないインフレーターを装着された車両については、19年度末までに再度リコールすることになっている。

 だが、今の時点で乾燥剤が有効だと言い切ることはできない。タカタは乾燥剤が入ったエアバッグが安全であることを19年末までに証明しなければならないのだ。それができない場合は、乾燥剤入りのエアバッグもリコールとなる。つまり、これから生産して市販する近未来の自動車さえもリコールの対象となる恐れがあるのだ。メーカーは慎重にならざるを得ないだろうし、賢明なユーザーならタカタ製エアバッグの有無を確認してクルマを購入したくなることだろう。

 日米政府がもっとも恐れているのは最悪の事態だ。すなわち、リコール対象の自動車のオーナーが、自分の所有する自動車が対象であると気づかず、エアバッグを修理しないままに使用を続けて死亡事故につながることが最大の心配事なのである。実際、アメリカではリコールしたエアバッグの数は840万個にすぎず、多くのオーナーがリコールの対象になっていることに気づかずに自動車に乗っている可能性がある。

 日本は車検制度があるので、中古車も含めてオーナーをトレースしやすいが、リスクの高いエアバッグを搭載する自動車が数百万台規模でそこら中を走っている現実に変わりはない。関係者も必死になって事故防止を訴えているので、本記事を読まれた方は知り合いにも伝えてほしい。自分の自動車がリコール対象かどうかは、国土交通省のホームページで確認できる。ディーラーやメーカーの相談窓口に問い合わせるのも良いだろう。悲しい事故がこれ以上重ならないことを切に願っている。

 タカタはこれからどうなるのか。日米政府は不安定になりやすい硝酸アンモニムの使用を控えるようエアバッグメーカー各社に通達しているが、タカタが他社と同じような火薬に切り替えるには多少の時間が必要かもしれない。
(文=清水和夫/モータージャーナリスト)

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