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三菱UFJ銀行、密かに一大計画推進…「莫大なカネ食い虫」巨大システムを捨てる日

文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
三菱UFJ銀行、密かに一大計画推進…「莫大なカネ食い虫」巨大システムを捨てる日の画像1三菱東京UFJ銀行の店舗(「Wikipedia」より/っ)

 最近、三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨「MUFGコイン」の開発を進めていることが報じられている。多くの金融機関が金融とインターネット技術の融合であるフィンテック(FinTech)事業を強化するなか、邦銀による仮想通貨発行がどのように銀行の経営に変化をもたらすのか関心が高まっている。

 MUFGコインの詳細は今のところ不明ながら、「ブロックチェーン」と呼ばれる新しいネットワーク技術を用いて、IT関連のコストを削減することを目指しているという。ブロックチェーンとは、取引等の情報(データ)のまとまり(ブロック)を鎖(チェーン)のようにつなぎ、それを複数の小型コンピューターで共有するネットワーク技術だ。

 これによって、銀行は大型のコンピューターを設置するコストを削減できる。現在、多くの銀行はコンピューターを管理することを目的に大型のビルを購入するなど、多額の資金を投じているからだ。

 ただ、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨の発行が費用削減につながると期待される半面、情報セキュリティの確保などクリアしなければならない点も多い。マイナス金利政策の導入によって金融機関の収益基盤が悪化するなか、コスト削減のためにブロックチェーン技術への注目は高まるだろう。

仮想通貨の概要

 仮想通貨は、国家の信用を裏付けとせず、ネット空間で特定の参加者の信用、期待を基盤に普及してきた通貨だ。仮想通貨の特徴を理解するために、代表格である「ビットコイン」の特徴を確認する。

 2009年頃から取引されてきたといわれるビットコインは、金貨や銀貨などの物質的な貨幣ではない。中央銀行のような法的な根拠を持つ通貨の発行・管理者も存在しない。ビットコインの存在は、取引の参加者が互いに取引データの正確さなどを共有することに支えられている。これを支える技術がブロックチェーンのシステムだ。

 ビットコインの発行は、インターネット空間にある計算問題を解くことで実行される。問題を一番早く解いた参加者は報酬としてコインを獲得する。これを、金脈を掘り当てることになぞらえ「マイニング」という。そして、コインの発行に関するデータ(ブロック)がブロックチェーンに付加され、他の参加者がそのデータをパソコンなどで同期化し、確認する。こうして、誰がどれだけのコインを生み出したかが、常に取引参加者間で共有される。

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