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名門・出光の呆れた「前時代的」内情…激烈な内部闘争が15年振りに再燃、89歳の反乱

文=編集部
名門・出光の呆れた「前時代的」内情…激烈な内部闘争が15年振りに再燃、89歳の反乱の画像1出光興産のガソリンスタンド(撮影=編集部)

 石油元売り第2位の出光興産の創業家が、6月28日に東京都内で開かれた株主総会において、来年4月に予定されている第5位の昭和シェル石油との合併に反対を表明した。創業家は、合併など重要議案に拒否権を発動できる3分の1を超す33.92%の株式を保有していると主張している。

 元衆院議員で顧問弁護士の浜田卓二郎氏を通じて、創業家は「合併計画に反対」の意思表示をした。その上で、月岡隆社長ら現経営陣10人の再任に反対票を投じたが、人事案は可決された。

 代理人の浜田弁護士は、巨大石油資本、石油メジャーに対抗するなど、独自の経営方針を堅持してきた出光と、英蘭系石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルを親会社とする昭和シェルとの企業体質の違いを懸念。イランと親密な関係を持つ出光がサウジアラビアとの関係が深い昭和シェルと合併するのは、両産油国の対立が激化しているなかで適切ではないと考え、創業家は反対を決めたと説明する。昭和シェルの第2位の大株主はサウジアラビア国営会社サウジアラムコで、約15%出資している。

 昭和シェルと合併するには、出光は臨時株主総会を開き、合併の承認をする決議において議決権の3分の2以上の賛成を得る必要がある。創業家の反対により、合併が承認されない可能性が出てきたことから6月29日、出光の株価は前日比239円安の2063円に急落した。

 出光の大株主の構成を見ておこう。自己株式を除いた16年3月期の議決権比率で、創業家の資産管理会社である日章興産は16.95%、公益財団法人出光文化福祉財団7.75%、公益財団法人出光美術館5.00%となっている。日章興産の社長は出光名誉会長の出光昭介氏で、両財団も同氏が理事長を務めている。同氏は、出光の創業者である出光佐三氏の長男だ。上位10位に名前は出てこないが、昭介氏の長男・正和氏と次男・正道氏が、それぞれ1.51%所有し、昭介氏個人名義の持ち株は1.21%だという。これらを単純に合計すると、創業家側の持ち株は33.92%になる。

 これに対して経営陣側は「公益性が高い公益財団法人の持ち株は創業家に属するものではなく、議決権を行使できない」と反論しており、両財団を除くと創業家の議決権比率は約21.2%にとどまり、合併は可能とみている。

 公益財団法人の解釈が両者で大きく異なるわけだ。公益財団法人が議決権を行使できれば合併案は否決、行使できなければ合併は承認されるという流れになる。公益財団法人の扱いが大きなポイントだ。

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