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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

スマホで法外な利用料や架空請求、偽物購入…全世代で被害多発、40代が最多?こう対処!

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

30~60歳代の相談件数が約6割

 一方、属性別の状況を見ると、65歳以上の高齢者が約3割となっているものの、10歳ごとの区分では、40歳代(16.2%)が最も大きな割合を占め、それに60歳代(14.6%)、50歳代(13.5%)、30歳代(12.8%)とほぼ現役世代が続く。つまり、30~60歳代が相談の約6割を占めている。消費者トラブルは高齢者だけのもの、といった意識があれば、早々に改めたほうが良さそうだ。

 この点は、相談件数の多い商品・サービス別の状況を見るとより納得するかもしれない。性別を問わず、幅広い年齢層で「運輸・通信サービス」が共通して大きな割合を占めているのだ。これは、ウエブサイトを利用したデジタルコンテンツやインターネット接続回線、携帯電話サービス等の通信サービスに関する相談が主なものだという。

スマートフォンの普及が被害の拡大の一因に

 スマートフォンの普及率は目覚ましく、14年末には全体の5割近くが保有。13歳から30歳代までの層では7割以上が保有しているほか、50歳代や60歳代の保有率も上昇し、中高年世代も保有率が拡大しているという。

 ニールセン株式会社のインターネット基礎調査によると、インターネットを「ほぼ毎日利用した人」5,610万人のうち、スマートフォンから「ほぼ毎日インターネットを利用する人」は3,996万人でパソコンの2倍となっている。筆者自身は、ほぼ毎日インターネットを利用しているが、仕事中にパソコンからの利用の方が多い。

 しかし周囲には、パソコンを持っていない主婦の方なども多くいる。以前、自宅マンションの理事会役員を務めた際、「理事会の資料などの作成をお願いします」と同じ役員の奥さまに言ったところ、「パソコンに触ったことがないのでできません」といった人が多いのには驚かされた。このご時勢、スマートフォンひとつあれば、すべて事足りてしまうようである。

 さらに同調査では、10代のスマートフォンからのネット利用者のうち、約半数がスマートフォンのみでネットを利用しているという。未成年に多い相談事例としては、次のようなケースが多々見受けられる。

・小学生がオンラインゲームアプリに夢中になって課金を繰り返し、高額なパケット通信費とアイテム代金の請求書が届いた。

・中高生が、ネットショッピングで偽ブランド品と知らずに購入して没収された。

・大学生が、アダルトサイトからの不当請求を受けた。

 今後は自分自身ばかりか、子どもまで被害者になる可能性があることも予想しておかなければならないわけだ。

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黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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