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消費増税に異常に執着する財務省・マスコミ連合体が、深刻な経済停滞を招いている

文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授
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 筆者は消費増税ではなく、むしろ消費減税が最適だと考えている。ただし現実的には難しい環境だろう。もちろんその背景には、財務省や「増税主義=財政再建」に異常に傾斜した政治集団(政治家とマスコミの連合体)の力が存在する。選挙で勝利してもこの増税集団との権力争いでは、安倍首相でも容易に打ち勝つことはできないだろう。公共事業といった従来型のものが中心になるだろう。

 となると残った手段は、日本銀行による金融緩和である。たとえば量的緩和を拡大して、年間10~30兆円の幅で長期国債の買いオペを増やすことが、いわゆるリフレ派(デフレを脱却して低インフレ状態で経済を安定化させることを主張する論者)から提起されている。財投債や地方債、多様な証券の買いオペなど、質の面でも工夫が提案されている。筆者もこれらの政策には賛成である。

 また、政府と共有する名目経済成長率の目標を現状よりも引き上げたり、日本銀行法を改正して日銀にインフレ目標と雇用の最大化を義務付けることなども、市場環境を大幅に改善することだろう。

 だが、日銀の動きがどうも鈍い。一説には黒田東彦日銀総裁が財務省出身であり、安倍首相が消費税を引き上げないならば金融緩和に付き合う気持ちがない、といったあまりに国民を愚ろうした理由がしばしば指摘されている。

 要約すれば3番目の政策失敗リスクとは、財務省がもたらす、国民生活を脅かす深刻な増税病である。選挙報道をみると、ジャーナリスト・池上彰氏が司会を務めたテレビ東京の選挙特番やフジテレビのそれなどで日本会議や創価学会が取り上げられ話題となっているが、本当に日本経済を不安定化させているこの「官僚組織=財務省」に言及した報道は見当たらなかった。

 評論家の柄谷行人が『憲法の無意識』(岩波新書)という書籍を最近刊行したが、むしろ「財務省という無意識」のほうがよほど大きな問題である。本来は改憲か否かよりも、財務省の「財政再建=増税主義」に対する国民の審判が問われるべきだった。
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

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