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イオン、危機的状況の兆候…赤字垂れ流しのスーパー、有利子負債2兆円で巨額利子支払い

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 総合金融事業で収益を上げるには利用者の獲得が不可欠です。ダイエーを子会社化した理由はここにあります。ダイエーの利用客にイオンカードやイオン銀行、WAONを利用してもらうことで収益を上げることを狙っています。ダイエーを含めたGMSやSM、DSの規模拡大により、総合金融事業において利益を稼ぐ戦略です。

 とはいえ、総合金融事業で利益を稼ぐ戦略にしても、GMS、SM、DSで利益を稼がなくていいわけではありません。ほかの事業で穴埋めをするにも限界があります。

 さらに、GMS等の出店にかかる用地取得や施設・設備への投資には莫大な資金が必要になります。その原資となる資金を調達するために、銀行などから借り入れを行っています。イオンの16年2月期における有利子負債は2兆1708億円と莫大な額になっています。有利子負債は年々増加傾向にあります。そして、同期の支払利息は137億円にもなっています。

 16年3~5月期の最終損益は62億円の赤字となりました。熊本大地震による損失で19億円の特別損失を計上したという特殊要因もありますが、GMSで93億円の営業赤字を計上したことや支払利息で34億円の営業外費用を計上していることなどが大きく影響しています。

 このことからも、GMS、SM、DSの立て直しは必須といえるでしょう。特にGMSの立て直しは急務です。GMSはイオンに限らず苦境に立たされています。フードスタイルストアのような個性ある新業態の開発や業態転換を急ピッチに進める必要があります。イオンは正念場を迎えているといえそうです。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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