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JMR生活総合研究所「消費と会社の戦略を読む」

日本の自動車メーカーが、中国勢に逆転される可能性高まる…持たざる者の巧妙戦略

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 周知のように、中国は1990年代前半に実質的に崩壊するまでの長い間、計画経済に依拠してきた。その影響で、あらゆる業界の市場化度合いが非常に低く、特に民生領域における産業蓄積は非常に乏しい。中国の産業近代化は、まず海外のモデルの真似から始まった。

 ただし、真似するだけではいずれ立ちゆかなくなり、ビジネスモデルの周回遅れを解消しなければ未来がないという恐怖に近い問題意識が、政界と実業界の両方に根深く存在する。この弱者としての意識は、中国産業界を理解する際に非常に重要なポイントである。一方で、弱者であることに甘んじ、真似し続けることを正当化するマインドも根深いことも事実だ。

 ICT・IoTがもたらす新しい産業革命も、中国企業にとっては追い風となっている。国の保護政策の影響もあるが、旧時代の技術が産業化形成していなかったことは、中国のインターネット企業の躍進の大きいな手助けになった。

 グーグルもタウンページもないために、独占企業になれたバイドゥ。リアル小売が発達していないがゆえに大きくなったアリババ。i-modeがなかったゆえに発展できたテンセント。BATに代表されるIT企業は、ネット領域に留まることなく、業界横断的で包括的なサービスを提供している。これらのサービスは、伝統産業を覆すだけの可能性を持っている。

 中国の自動車ベンダーは、最新のICT技術を利用し、サービス化という切り口で、既存自動車産業を一気に陳腐化させる「オーバーテイク」を狙っている。つまり、徹底的な持たざる者の戦術である。今はまだ欧米、日本企業が長年築き上げてきた牙城に切り込むだけの力を持っていない。しかし、家電業界で起こったような逆転現象が今後、自動車業界で発生しないとは、誰も言い切れないだろう。

中国市場におけるチャンス


 中国は2020年には人口100万人以上の都市が180以上、1000万以上人口の巨大都市が12都市になる見込み。広大な農村地域が都市周辺部として再編されていく。そのため今後の自動車市場においては、急速な都市化と深刻化する環境問題という2点がポイントとなる。

 中期的には、都市部ではエコカー(特にEV)が主流になっていくだろう。長期的には、車々間通信・車路間通信インフラを前提に設計されたサービス一体型のモビリティが未来の競争のカギを握る。

日本の自動車メーカーが、中国勢に逆転される可能性高まる…持たざる者の巧妙戦略のページです。ビジネスジャーナルは、連載、トヨタ中国自動車の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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