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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

肉を過剰摂取する人類を「最悪の事態」が襲う!過剰肉食を推進する「大きな存在」があった!

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 さらに、穀物と2:1の割合で豆類を食べると仮定して、そのたんぱく質が約7グラム。野菜類や、味噌などの調味料、だしの中に含まれるたんぱく質を合わせて、大体3グラム摂取するとします。これらを合計すると、たんぱく質量は26グラムです。1日2回の食事を摂るとすれば、合計52グラムのたんぱく質摂取となり、適正量より若干オーバー気味、ということになります。

 このように、1食当たりに食べる肉や魚の量は、50グラムでも多すぎるくらいなのです。これが、筆者の主張している「オプティマルフードピラミッド」(本連載の初期に説明しております)の根拠になっています。

 たんぱく質は、動物性であれ植物性であれ、消化器内で自分の消化酵素によって、一旦アミノ酸に分解され、体内で合成されて自分のたんぱく質になるため、重要なのはたんぱく質ではなく、分解されて体内に存在するアミノ酸なのです。そして、動物性のたんぱく質を分解するより、植物性のたんぱく質を分解するほうがはるかに体に負担がかかりません。よって、アミノ酸は植物性の食品から得るほうが合理的なのです。

 植物性の食品だけで食事を組み立てようとする場合に注意すべきことは、不足しがちなアミノ酸が3種類あることです。トリプトファン、リジン、メチオニンの3種類ですが、これらはすべて必須アミノ酸ですから、確実に食事で摂取しなければなりません。

 そこで、穀物と豆類を2:1の割合で摂れば、この3種類のアミノ酸が不足する心配はなくなります。リジンは穀物には不足していますが豆類には豊富に含まれています。また、トリプトファンとメチオニンはその逆で、豆類には不足気味ですが穀物は豊富に含んでいます。つまり、穀物と豆類を2:1で摂れば、ちょうどお互いの不足分が補い合えるので、理想的なアミノ酸の摂取量となるのです。

 食事は、食品単体で考えて構成するよりも、全体を見渡して、また何回かの食事を通して、どのような比率で食べるべきなのかを考えるほうが合理的です。その時に参考になるのが、オプティマルフードピラミッドなのです。

肉の過食は人類全体に悪影響を及ぼす

 もうひとつ私たちが考えなければいけないのは、人類全体のことです。もしも今以上に、多くの人たちが過剰に動物性たんぱく質を摂取しだしたら、どうなるでしょうか。間違いなく、私たちは破滅します。それほど多くの動物の肉を生産するために、飼料となるトウモロコシや大豆などを大量に生産しなければならなくなり、非常に非効率な農業をせざるを得なくなるのです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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