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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

乳がんのマンモグラフィ検診、「無意味」との調査結果…不必要ながん治療実施の恐れも

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「では、たとえばこの論文をご存じですか。イギリス医師会雑誌『BMJ』という極めて権威のある医学論文集です。タイトルは日本語訳すると『カナダ国立乳がん検診での乳がんの発症率と死亡率についての25年間の追跡調査』というもので、マンモグラフィ検診の受診有無で、40~59歳の女性の25年間の乳がん発症率と死亡率について比較を行ったものです。

 8万9835人の40-59歳の女性を対象に追跡調査を行い、定期的なマンモグラフィ検診は、身体診察による検診や普通に行われている乳がん治療による場合と比べて、乳がんの死亡率を減少させることはなかった。その上22%が過剰診断であったというものです。そして、驚くことにマンモグラフィ検診を受けるか受けないかは、本人の意思ではなくくじ引きで決められています。もっとも信頼できる研究ということです」

 常識君がまとめます。

「がん検診に意味がないという論文は、多くの方々には好意的に受け取られません。いろいろな理由で直感的にノーだからです。そんな論文は、がん検診は意味があるという論文に比べると、日の目を見ないのです。これを出版バイアスといいます。都合のいい論文が流布するということです。こんなことを知った上で、受診者はがん検診を受けるか受けないかを決めればいいのではないでしょうか。僕自身は、がん検診にはそれなりの意味があると思っています」

 常識君らしい優等生のコメントでした。
(文=新見正則/医学博士、医師)

●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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