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鳴り物入りのあの剛腕プロ経営者は、なぜ社長をクビにされたのか?危うい経営失敗で赤字転落

文=編集部
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鳴り物入りのあの剛腕プロ経営者は、なぜ社長をクビにされたのか?危うい経営失敗で赤字転落の画像1LIXIL本店(「Wikipedia」より/Rs1421)

 LIXILグループは6月15日、新体制が船出した。東京・墨田区の国際ファッションセンタービルで開いた定時株主総会で、藤森義明前社長兼CEO(最高経営責任者)が相談役に退き、瀬戸欣哉氏が社長兼CEOに就任した。

 プロ経営者の藤森氏から、同じくプロ経営者の瀬戸氏へバトンタッチである。

 藤森氏は、東京大学工学部卒業後、日商岩井(現・双日)を経て米ゼネラル・エレクトリック(GE)に転職。米本社上席副社長、日本GE会長兼社長を歴任し、住生活グループ(現LIXILグループ)総帥で創業家出身の潮田洋一郎氏に三顧の礼をもって迎えられ、2011年8月、社長兼CEOに就いた。

 だが、LIXILグループは買収した独グローエ傘下の中国ジョウユウで、昨年、不正会計が発覚。累計660億円の特別損失を計上し、16年3月期の連結最終損益は266億円の赤字と、6年ぶりに赤字に転落した。この時点で潮田氏は更迭を決断した。

 潮田氏が次に白羽の矢を立てたのが、瀬戸氏である。瀬戸氏は東京大学経済学部卒業後、住友商事を経て2000年に工具通販会社MonotaRO(モノタロウ)を設立するなど、11社を創業した“連続起業家”として知られる。12年からMonotaRO会長になっていた。

 潮田氏に招かれた瀬戸氏は、16年1月に事業会社LIXILの社長に、そして6月の株主総会で持ち株会社LIXILグループの社長に就任した。

役員数を半減、社長報酬は全額株式へ

 藤森氏は、国内外で積極的なM&A(合併・買収)を仕掛けてきたが、収益に結びつかなかった。そのため、瀬戸氏は藤森路線の見直しを進める。7月に社長以下のグループの役員数を114人から53人に半減した。約6割を占める執行役員の役職をなくし、意思決定を迅速にする狙いだ。

 76人いた上席執行役員、執行役員をなくし、代わりに理事の役職を設けた。さらに重複する役職を統廃合し、役員数を54%削減。責任の明確化を徹底する。

 1年ごとに契約更新し、実績を重視した人材登用につなげる。役員の削減や報酬体系の見直しで役員報酬は全体で25%減る見通しだ。社長も年間報酬を全額、株式で受け取る方式に改め、株価や業績にしっかり責任を持つようにする。

 隗より始めよだ。16年3月期の有価証券報告書によると、執行役の藤森氏に5億2400万円、同じく執行役の瀬戸氏は1億2500万円の役員報酬が支払われるはずだったが、「業績連動報酬は、中長期(2015年4月~2018年3月)の業績連動報酬に係る役員賞与引当金の繰入額であり、支払は行われておりません。なお、平成27年度の短期業績連動報酬0円であります」と但し書きをつけている。

BusinessJournal編集部

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