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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

クラフトビール、ブーム到来!オシャレ&本格的お店が続々登場!店経営の成功のカギ

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表

 保管は「常時」冷蔵します。樽が入る大きな冷蔵庫が設備として必要です。ビール樽を常時冷蔵している飲食店は現在少ないと思われます。洗浄は「水洗浄」「スポンジ洗浄」に加え、定期的な「薬品洗浄」と「ホース交換」がお勧めです。ビールに含まれる蛋白などがホースにたまると汚染につながり、味わいを損ねる原因になるからです。

(3)ロス

 通常はビールホースの長さでロス量は決まりますが(日々のビールホース洗浄のため)、冷蔵保管・冷蔵サーバーであれば「樽交換時に洗浄」すれば良いので毎日の洗浄はしません。つまり、ロスはなし。サーバーのセッティングミスやコントロールミスで泡が立ってロスしてしまわないように気をつけます。

(4)導入について(初期投資や留意点)

 ビールサーバーは気軽に買えないので、専門業者に依頼することになります。小型で40万円、大型ウォークインだと100万円~、タップ数によります。瞬冷サーバーは樽を冷蔵できないのでお勧めしません。海外からパーツを取り寄せれば自作も可能ですが、メンテナンスなどは自己責任となります。

 ウォークインを後から入れるのは造作をいじらなくてはならず大変です。オープンする前の店舗設計時から考慮しておくべきです。設備面で参入障壁が高いですが、ちゃんとメンテナンスをすれば設備の耐用年数はかなり長いので、長期計画を立てて考えましょう。

 また、原価が高いので、容量別のグラスを用意するといいでしょう。グラスによって味わい、プレゼンテーションも変化します。お客様に語るためにも取り扱いのビールを造り醸造所には一度は行ってみましょう。ビール祭りで造り手さんにお話を聞くのも良いでしょう、説得力が違います。

まとめ

(1)粗利が低めなので、フードも含めてトータルで考えましょう。
(2)既存店は樽の前にボトルでトライアルをしてみましょう。
(3)初期投資が大きいのでトライアルした上で新規オープン、リニューアルの際はウォークインも検討しましょう。

 これらはお店側からしても決して越えられないハードルではないので、クラフトビールを取り扱うお店は増えてくると思います。きっとこの先、おいしく個性的なクラフトビールを飲める機会が増えることでしょう。お店としても売り物メニューが増えるチャンスでもあり、最初から専門店として立ち上げれば、息の長いお店となる可能性もあります。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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