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バニラやフルーティー、肉…美味しそうな匂い=超危険な合成香料が蔓延!実験で死亡例も多数

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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バニラやフルーティー、肉…美味しそうな匂い=超危険な合成香料が蔓延!実験で死亡例も多数の画像1「Thinkstock」より

 加工食品メーカーで新製品の開発にあたっている知人が、こんなことを言っていました。

「新製品がヒットするかどうかは、どんな匂いを出すか次第だよ。原材料はどこも似たり寄ったりで、うまみ調味料やエキスで味付けする。差別化するには、匂いしかない。だから、どこのメーカーもどんな香料を使っているかはマル秘中のマル秘だよ」

 食品に使われる香料は、化学合成品が約150品目、天然香料が約600品目あります。それらをいくつも調合し、食品の匂いや香りをつくっています。

 日本の食品メーカーの合成香料製造技術は世界一といわれ、どんな匂い、香りもつくり出すことができます。フルーティー、だし風味、とり風味、ミルク風味、松茸スープ、カカオ、ウナギ、アユ……挙げればきりがありません。

 合成香料の製造技術が世界一になったのには理由があります。日本の大手食品メーカーは、とても食材とは呼べないような大豆かす(脱脂大豆)や端肉(くず肉)など、安価で粗悪な原料を使い、工業製品のように大量に加工食品を製造・販売し、大きな利潤を上げてきました。しかし、粗悪な原料を使えば、必ずクサい匂いが発生します。それを消して、おいしそうな匂い・香りを付けなければ売り物になりません。合成香料製造技術に長けてきたのは、そうした背景があります。もちろんそれがすべてではないでしょうが、“インチキ食品”をつくるには高度な香料製造技術が不可欠なのです。

 そうしたインチキ食品が、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの棚には所狭しと陳列されています。どの商品も袋を開封すると、おいしそうな匂い・香りがします。でもそんな匂い・香りに騙されてはいけません。香料には結構、危ないものがあるのです。

 食品に添加される香料は、100%近く安価な合成香料です。主原料は石油です。添加物である合成香料自体の毒性のほか、原料、中間物から発生する不純物が混入している危険性もあります。

有害な合成香料

 なかには、極めて有害な合成香料がありますが、原材料表示名には「香料」としか記載されていません。どこのメーカーも香料は企業秘密ですから、「どんな香料を使っているのか」と問い合わせても明らかにはしません。安全な食生活のためには、香料無添加の食品を選ぶことが基本ですが、どうしても添加されているものを買わざるを得ないこともあります。香料が添加されている食品を購入する際には、どんな匂い・香りがするかに気をつけることです。もし、袋を開けて次のような匂い・香りがする食品であれば、食べるのは控えたほうが無難です。

バニラに似た香り……エチルバニリン(エチルワニリン)かバニリンが使われています。アイスクリーム、キャンディー、チューインガム、チョコレートが代表的な食品。動物実験では、心筋、肝、腎、脾、胃の粘膜に障害が認められています。バニラに似た芳香剤としては、クマリンがよく知られていますが、クマリンは肝機能を弱めるため、食品に香料として使うことは認められていません。しかし、桜餅には違法に使われているとの情報もありますので、注意が必要です。

・バラ、ヒヤシンスに似た香り……ケイ皮アルデヒドを原料に合成したケイ皮アルコールがつくりだす香り。清涼飲料水、ベーカリー製品、チューインガム、キャンディー、氷菓、ブランデーなどに添加されています。1グラム以上マウスに与えると、中枢神経麻痺、呼吸麻痺で死亡するケースが報告されています。また、ケイ皮アルコールには、赤血球細胞を破壊する溶血作用があるといわれています。

・ワサビの香り……イソチオシアン酸アリル(揮発ガイシ油)による香りです。強い刺激臭と辛味がある合成香料で、主に薄めてハンバーグ、ソーセージなど食肉加工品に使われているほか、ピクルス、アイスクリームにも使用されます。ラットで発育障害や少量でも興奮作用を示します。また、多く摂取させると呼吸や血管運動中枢が麻痺して筋れん縮を起こし、体温が下がって死亡するという報告があります。

・イチゴ、パイナップルなどフルーツの香り……酢酸エチルを添加した匂いです。パイナップル、イチゴなどの揮発性成分が酢酸エチルで、アセトアルデヒドの化合物から大量に合成されています。アーモンド、アップル、バナナ、パイナップル、メロン、ピーチ、ストロベリー、ラムなどのエッセンスのほか、ウイスキー、バターの香料として使われています。毒性は眼、皮膚、粘膜を刺激し、角膜に障害をもたらします。

・リンゴやバナナに似た香り……酢酸シクロヘキシルが出す香りです。シクロヘキサノールと酢酸から作られた香料です。毒性は強力な麻痺作用が知られています。動物に吸入させる実験では、呼吸器粘膜の障害、肝臓、肺にうっ血がみられ、ふるえ、運動失調、麻痺状態が現れ、呼吸麻痺で死亡した例があります。

 合成香料は、あらゆる食品に添加されるようになっています。それに伴い、嗅覚異常を訴える人が多くなっています。合成香料の最大の問題点は、人間の鼻(嗅覚)を破壊してしまうことです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

郡司和夫/食品ジャーナリスト

郡司和夫/食品ジャーナリスト

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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