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今年4月に起きた熊本地震で避難生活を続ける人の間で発症が相次ぎ、再び注目されることになった「エコノミークラス症候群(脳動脈血栓塞栓症)」。
長い時間同じ姿勢を取り続けることで、脚の静脈にできた血の塊(血栓)が血流に乗って肺に達し、肺動脈に詰まってしまう病気だ。
気づかぬうちにできた血栓は、立ち上がって動き始めた瞬間に静脈に流れ出し、心臓を通って肺の動脈をふさぐ。その結果、「突然」呼吸困難や激しい胸痛に襲われ、最悪の場合は死に至る。症状がでたときにはすでに深刻な状態になっているという怖い病気なのだ。
飛行機や車の座席など、狭い空間に座り続けると発症しやすいことは広く知られている。しかし最新の研究によれば、日常生活でも油断は禁物だという。
エコノミークラス症候群での死亡が2.5倍にも
自宅にいたとしても、テレビを視聴する時間が長すぎるとエコノミークラス症候群で死亡するリスクが高まるというレポートが、7月26日発行の米医学誌『Circulation』に掲載された。大阪大学大学院・医学系研究科社会医学講座教授の磯博康氏らの研究だ。
今回の研究では、40〜79歳の日本人8万6000人以上を対象に、テレビを見て過ごす時間ほか生活習慣の情報を収集。その後、19年間の追跡調査を行った。