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街の古びた銭湯、潰れない謎…瀕死の銭湯業界、「工夫」で人気殺到の店出現?

文=出口雄己、昌谷大介/A4studio
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デザイナーズ銭湯はそのオシャレな雰囲気で、若い方からも人気が出ていますね。また、マンガを約1万冊も置いてある銭湯もあり、マンガ喫茶のように利用できると評判で、こちらも若者の利用客が多いと聞きます」

 銭湯の利用料金は物価統制令に基づき価格が決まっており、たとえば東京都の場合は460円、神奈川県の場合は470円のように定められている。昔ながらの銭湯の魅力を残しつつ現代の需要にもマッチするようにスタイリッシュに改装し、最新設備も導入されているデザイナーズ銭湯が460円で利用できるということであれば、自宅に浴槽があっても頻繁に通う常連客がいるのもうなづける。

「一方、番台があって、富士山のペンキ絵があってというレトロ感溢れる銭湯も下町には数多く残っていて、そういった趣のある銭湯も根強い人気があります。錦鯉が泳ぐ池があるような立派な日本庭園を持つ銭湯もありますしね。ただ、そういった昔ながらの銭湯のなかには、借地や借家で経営しているため、収益改善のための一手を打とうにも打てないというところがあるのも事実。土地や建物を借りている場合は月々の賃料が重くのしかかるため、経営が厳しくなるのはいわずもがなです」

スーパー銭湯はライバルではない?

 東京や大阪といった大都市の銭湯には、都(府)や区(市)から助成金が出ており、それが経営の一助となっているという側面もあるそうだ。

「自治体によって助成金制度はさまざまですが、たとえば世田谷区では、65歳以上の区民に入浴券が支給されています。券を配って銭湯に足を運んでもらい、銭湯側は入浴券を区に買い取ってもらえるという制度になっています。ほかにも、助成金で水道料金が安くなるなど、経費面の負担を軽減してくれる自治体もあり、デザイナーズ銭湯に改装するといった一手を打てないでいる銭湯も、こういった自治体からの援助があるおかげでなんとか経営を続けていられるというケースも少なくありません。逆にいえば、万が一、助成金制度が変わってしまい、助成金が打ち切られるようなことがあれば、経営が続けられなくなり廃業してしまう銭湯も出てきてしまうと思います」

 それでは、今後の銭湯業界はどのようになっていくのだろうか。

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