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星野達也『文系お父さんのための、テクノロジー講座』

最近よく見る筒状の電子たばこ・IQOS、発売直後にたばこ市場塗り替え…煙出ず害激減

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 フィリップモリスが2015年に発売開始をした、IQOS(アイコス)だ。電子たばこ、加熱式たばこなどと呼ばれることもあるが、火を使わずに電気で加熱する、新しいタイプのたばこである。

 フィリップモリスが実に2500億円もの開発費を投入したというから驚きである。JTが1年間に費やす研究開発費の総額が500億円前後であるから、この2500億円という開発費がいかに膨大な額か、想像できるのではないか。1製品にかける開発費としては破格であり、そこに、フィリップモリスの本気度がうかがえる。

 ちなみに15年9月の発売開始直後から品切れ状態が続いているというから、まずまずの滑り出しだと考えてよいだろう。フィリップモリス・ジャパンによると、16年4月には販売台数が100万台を超えたそうだ。6月終了時点で、シェアが2.7%まで拡大し、早くも従来型の紙巻きたばこの売れ行きにも影響を及ぼし始めているという。

 このIQOS、どこがユニークなのか簡単に解説してみる。

IQOSの特徴

 まず、電気加熱式なので、火を使わない。したがって煙も出ないし灰も出ない(多少の水蒸気が出るが、すぐ消える)。当然副流煙の心配もない。さらに有害物質が大幅に少ない(通常の煙草に比べ90%低減)。それでいて、それなりに「たばこ感」がある。

 一方で、1本につき14回吸い込む、あるいは6分たつと終了。1本吸った後には、充電のために約6分待つ必要があり、連続で吸えない。また、重いのでくわえたばこができないなどの物足りなさも指摘されている。

 ちなみに本体価格は9980円で、初期投資がかかる。20本入りのヒートスティックが460円。紙たばこが400円前後なので、やや高めか。また、購入のためには登録が必要で、当然未成年は購入できない。

 これらの概要を踏まえ、紙たばこから乗り換えるかどうかの判断が必要となるわけである。

今後どうなるか

 家族や奥様からの支持率は総じて高いようであるし、乗り換えた愛煙家たちも、比較的満足度は高く、果たして今後どのくらいの喫煙者がこれらの新しいたばこに乗り換えるのかは注目である。

 急激な減少を続けるたばこ業界において、新しい技術で一石を投じたことは間違いなく、もしこのイノベーションで、市場の減少を食い止めることができるとしたら、その意味合いは大きく、IQOSの売れ行きからはしばらく目が離せない。

 ちなみに、IQOSが普及することにより、「大一番を前に、たばこを地面に投げ捨て、ブーツの底でぐりぐりともみ消す」などという、少年時代にあこがれていたキザな仕草が不可能になってしまうのかと思うと、ちょっとだけ寂しい気もするが。
(文=星野達也/ノーリツプレシジョン取締役副社長、ナインシグマ・ジャパン顧問)

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