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SMAP解散「統制報道」のスポーツ紙とテレビの「死」…ジャニーズ見解垂れ流し、事実隠蔽同然

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原発報道にも通じるメディアの自主規制


 さて、なぜこのように、メディアが「空気」を読んで自主規制的な振る舞いをしているのか。それは(男性アイドル)市場が、一部の事務所の抱えるアイドルによって事実上独占されているという事情から生じている。その独占力の背景は、ジャニーズの場合は、やはり経済的な規模に大きく依存するだろう。

 例えば、SMAPの経済規模はどのくらいだろうか。以前の記事でも解説したのだが、約200億円程度だと思われる。これ以外にも、ジャニーズ事務所の抱える人気アイドルは多くいるため、ジャニーズ系アイドルの経済効果は少なくとも1000億円はあると思われる。この経済規模は大きい。

 例えば、『原発プロパガンダ』(岩波新書/本間龍)によれば、原子力発電の推進プロパガンダを展開してきた東京電力と電気事業連合会の1年間の広告費は(2011年の東日本大震災の前年まで)約700億円だが、それを上回っている。

 3.11まで、日本のテレビで原発の危険性や過剰なコストを訴えることが困難であった背景には、この巨額な金銭の存在がある。『原発プロパガンダ』によれば、実際に東電などが直接に「口止め」をしていた証拠は明らかではないが、広告やCMの打ち切りなどを利用した「圧力」は観察できるという。

 その「圧力」は、原発報道の場合でも、マスコミ各社の広告や営業部門からの“内部からの圧力”のかたちを取り、原発に批判的な番組を制作したスタッフたちの配置換えや降格などの「報復人事」を伴い、それが自主規制に拍車をかけることになる。

 もちろん、男性アイドル市場と原発市場では、取引される財やサービスはまったく異なる。しかし、マスコミがあまりに過度に広告主あるいは取引先(取材先)の顔色をうかがうことで、報道が萎縮し、偏向してしまえば、それは男性アイドルのあり方や市場の効率的な機能を阻害してしまい、ファンに「事実を知り得ない」「間違った事実認識に誘導される」という大きな損失を与えることになるだろう。原発の報道が長く「安全神話」を国民に刷り込んできたのと、それほど変わらない。

 SMAP解散報道は、日本の芸能マスコミのあり方を厳しく見る機会となるに違いない。
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

【※1】@a_i_jp

【※2】@a_i_jp

【※3】「日刊ゲンダイ」(2016年8月15日 「SMAP解散」一斉報道崩れ 水面下で始まったリーク犯捜し)

【※4】「Yahoo!ニュース 個人」(2016年8月16日 最後まで奇妙だったSMAP解散報道──徹底的に独自取材を避けるテレビ局)

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