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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

SEALDsは終わっていない…すでに公安の監視対象団体に、メンバーは一生この現実から「逃れられない」

文=渡邉哲也/経済評論家
SEALDsは終わっていない…すでに公安の監視対象団体に、メンバーは一生この現実から「逃れられない」の画像1SEALDs(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 8月15日、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が解散した。

 学生団体のSEALDsは安全保障関連法への反対などを訴え、国会議事堂前でデモ活動を行ってきたことで知られており、16日の記者会見では、創設メンバーの奥田愛基氏をはじめ、多くのメンバーが「これで終わりじゃない」という意思表明をしているが、まさしく、SEALDsをめぐる問題は「終わっていない」といえる。

 本連載6月27日付記事『SEALDs、政治資金規正法違反の疑惑浮上…違法な手段で寄付募集や政治活動か』でも言及しているが、SEALDsは資金集めの方法や支出について不透明な部分が多く、政治資金規正法に違反している疑いもある。

 SEALDsは昨年10月に政治団体の届け出を行っているが、解散後には政治資金収支報告書の提出が求められる。その内容次第では、過去の政治資金規正法の違反行為などに対して追及される可能性があるわけだ。

 この問題に関しては、公訴時効が成立するまで、その責任から逃れることはできない。仮に、市民団体などが刑事告訴を行った場合、検察庁の特捜部なども動くことになるだろう。

 また、SEALDsは「SEALDs」として集めた資金のゆくえを明確にする必要もある。「SEALDsの活動費」として集めた資金に関しては、すべて「SEALDs」として支出する必要がある。当然ながら、この資金の中に個人としての支出やほかの団体としての支出があった場合は、政治資金規正法違反に該当する可能性がある。活動費として集めた資金に妥当性や正当性が求められるのは当たり前のことであり、政治団体である以上、政治家と同様の扱いを受けることになる。

 また、解散した際に発生した余剰金の扱いも大きな問題になりかねない。「SEALDsの活動費」として集めた資金をほかの目的に流用した場合、詐欺行為に該当する可能性も生まれてしまう。

公安調査庁の監視対象だったSEALDs

 こういった事情から、SEALDs はたとえ解散したとしても、しかるべき法的責任から逃れることはできない。記者会見を行うだけでなく、そのような問題の処理や手続きがすべて終わって初めて、「SEALDsは終わった」といえるのだろう。

 また、SEALDsは国家公安委員会の監視対象となっている。これは、公安調査庁の「平成28年1月 内外情勢の回顧と展望」を見ればわかるが、63ページにSEALDsに関する記述があり、公安当局が監視対象団体として監視対象にしていることが示されている。つまり、SEALDS参加者は、公安の監視対象者として、テロリスト予備軍や準テロリストのような扱いになってしまったのである。

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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