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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

コンビニやスーパーの食用油・醤油は要注意!安全上不安な遺伝子組み換え作物使用の恐れ

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト

 しかし、それはこれまで人間が食べてきたたんぱく質ではありません。したがって、人間にとって本当に安全であるかは、まだよくわからない面があるのです。特に消費者としてもっとも心配されるのが、そのたんぱく質によってアレルギーを起こすことがないのかという点です。これらは、もともと細菌がつくり出すもので、人間になじみがありません。したがって、体の免疫がそれを排除しようとし、結果的に蕁麻疹などのアレルギー症状が現れることが危惧されるのです。

 また、細菌の遺伝子が組み込まれることによって、遺伝子に予期し得ないことが発生して、思いもよらない物質ができる可能性があります。それが、毒性物質であった場合、大規模な食品被害が発生することになるでしょう。

 一方で、こうした不安を打ち消すような情報もアメリカから入ってきています。米科学アカデミーは5月、遺伝子組み換えトウモロコシや大豆について、人間や動物が食べても健康上のリスクの増加は認められないという報告書を発表しました(5月19日付朝日新聞記事)。

 専門家による委員会が、過去20年間にわたる調査報告や研究論文など約900件を精査し、さらに遺伝子組み換え作物に対する賛否双方の立場約80人の意見を聞き、公聴会や公募で寄せられた700件以上の意見なども参考にしたといいます。
 
 その結果、遺伝子組み換え作物を使った食品を食べたことによる健康被害は認められず、家畜や人間が食べても、がんや肥満、消化器・腎臓の病気、アレルギーなどのリスクが高まるとの疫学的データは得られなかったとのことです。
 
 これは大がかりな調査といえますが、アメリカは遺伝子組み換え食品について推進の姿勢をとっている国であり、政府も企業も遺伝子組み換え作物の開発や栽培に力を入れています。そうした国で行われた調査なので、どれだけ実情に合ったものなのかは疑問が残るところです。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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