バーバリー失った三陽商会、赤字転落&大量人員削減でも新本社ビル建設…銀行は呆れ声

バーバリーの店舗(「Wikipedia」より/Mparweo)

 バーバリーという基幹ブランドを失い経営難にあえぐ三陽商会だが、意外にも本社隣接地に別館ビルの建設を進めている。この点について取引銀行の幹部は、「経営不振企業が本社を売却し賃貸に切り替えるという話は聞くが、新社屋を建設するというのは理解できない。大企業病に陥っているのではないか」と呆れる。

 三陽商会は昨年6月に英バーバリーとの契約が終了し、後継ブランドとして「マッキントッシュ」など3ブランドの販売に注力したが、いずれも不振で、2016年12月期の業績見通しを95億円の赤字に下方修正したばかり(期初予想は3億円の黒字)。
 
 にもかかわらず、25億円を投じて東京新宿区本塩町に地上10階建ての本社新別館ビル「本社アネックスビル(仮称)」を18年2月竣工予定で建設する。危機意識なき三陽商会に、金融機関から危ぶむ声が上がっている。

 本社新別館ビルは、現在賃借中の九段ファーストプレイスビルから移転・入居するもので、「建設にあたり、耐震性や省エネを考慮しつつ、社員に豊かな発想と闊達なコミュニケーションを可能とする働きやすい仕事環境を提供する」(三陽商会)としている。現在の高額な賃貸料が浮くことで、中長期的にみれば得ということなのだろうか。

赤字転落でリストラ

 危機意識からなのか、三陽商会は来年2月末までに「プリングル1815」「ビアンカ・エポカ」など計8ブランドを休廃止すると発表した。同時に全体の1割強に当たる190の売り場を閉める。また、全社員の2割弱の希望退職を10月に募ることを決めた。

 7月29日に16年12月期の連結業績予想を下方修正し、配当を年8円の予定から年4円に引き下げたことに伴うリストラ策。同期の売上高は当初770億円、最終損益は3億円の黒字を見込んでいたが、売上高を前期比28%減の700億円、最終損益を95億円の赤字にそれぞれ下方修正した。

 過去最大の赤字に転落する三陽商会。最大の原因は昨年6月にバーバリーとの契約が終了し、その後継ブランドとして投入した「マッキントッシュ ロンドン」「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」の販売が計画を大きく下回ったことにある。

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