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政府が打ち出した中古住宅市場拡充策の盲点
政府が秋の臨時国会で提出する2016年度2次補正予算案の概要に、「中古住宅購入時に改修費補助・最大50万円」という制度の創設が盛り込まれる見通しです。子育ての負担の重い40歳未満の世帯を対象に、中古住宅購入を支援する制度です。
中古住宅の改修工事にあたるリフォーム施工業者が、中古住宅の購入者に代わって国の事務局に申請し、最大で50万円の補助金を受け取る仕組みで、第三者の専門家による住宅診断(別名:ホームインスペクション/一般的な費用は5万円以上)を受けていることも条件としています(住宅診断費用も別途補助の対象)。
法案が成立すれば年内にも新制度がスタートしますが、果たしてこの制度で、国土交通省がいうように空き家が減って中古住宅市場やリフォーム市場が拡大し、中古住宅が資産として見直されるようになるかといえば、はなはだ疑問です。
はっきりいえるのは、住宅診断業者とリフォーム業者だけが潤う制度になるということです。対象となる40歳未満で中古住宅を購入し改修工事を行って住もうという人たちにとっては、負担の軽減になるどころか「ぼったくり被害」を拡大させ、出費の増大を招く懸念があります。
住宅診断業界の問題点
そもそも、目視や触診と一部の床や柱を計測するだけの簡易な住宅診断が、5万円以上もするという相場からして高すぎます。100平方メートル程度の住宅で2時間程度。
国土交通省は、住宅診断の普及で著しく低い日本の中古住宅流通市場が拡大するとしていますが、住宅診断の質の担保もないままに相変わらずの野放しです。しかも、この住宅診断費用までも政府は中古住宅リフォームの最大補助50万円とは別途に補助の対象とする見通しであり、これでは住宅診断の費用高止まりを行政が後押しするようなものです。
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