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従業員カットを提案か…出光、内部抗争先鋭化で経営陣が創業家の「驚愕の要求」を暴露

文=編集部
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 関氏は昭和シェルとの合併について、「石油業界、当社の今後にとってベストな選択肢だ。創業者の出光佐三氏であれば、必ず取り組んだテーマだ」と強調。その上で「(創業家の行動は)すべての利害関係者と創業家自身の利益を毀損している。冷静な対応をお願いしたい」と語り、7月11日から中断している協議の再開を呼びかけた。

 浜田弁護士は経営側の記者会見を受けて、「あくまで合併に反対しており、条件闘争ではない。(創業家の出身者を)役員にすれば意思疎通がしやすくなると考え、申し添えた程度(のこと)だ」と述べた。

 創業家側は8月15日、「出光興産が昭和シェル株取引の契約を取りやめるまでは、残念ながら現在の対応を取らざるを得ない」とのコメントを発表し、協議に応じる意向がないことをあらためて強調した。

 8月16日付読売新聞は『出光創業家 協議を拒否 和解へ糸口見えず』との見出しで、経営側の記者会見の内容より、昭介氏側の反発の様子を大々的に報じた。「浜田氏は15日夜、読売新聞の取材に応じ、『最初から合併にも、その前提となる昭和シェル株の取得にも絶対反対だった。取締役の派遣や創業家の影響力の維持は、合併を決める条件として求めたものではない』と述べ、経営側の説明に反発を強めている」とした。では、どういう目的で取締役の派遣や創業家の影響力の維持に文書で言及したのであろうか。

 創業家というが、佐三氏の直系の昭介氏以外に、7代目社長を務めた出光昭氏もいる。昭介氏が社長時代にとった拡大路線は失敗し、昭氏と組んで天坊昭彦専務(8代目社長)が出光の株式公開を実現し、開かれた会社にしたという会社の歴史から、昭介氏の主張に全面的に賛成する出光の有力なOBは少ないとの見方も強い。天坊氏ら経営陣は、06年に昭介氏の猛反対を押し切っている。

 10代目社長の月岡氏に天坊氏のような経営力、求心力があれば、この勝負はとっくに決着がついていただろうとの指摘もある。そもそも、最大のステークホルダーである昭介氏の了解なくして、出光の経営陣が昭和シェルとの合併を発表することなどできるわけがないのだ。これが産業・経済界のいわば“常識”である。

 昭介氏の心変わりの本当の理由はなんなのか。「息子可愛さ」だとしたら、出光の経営陣も社員も浮かばれない。
(文=編集部)

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