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トヨタレクサス、なぜ表参道でカフェを開いている?カスタマージャーニーの時代

構成=編集部
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――カスタマージャーニーの具体例を教えてください。

加藤 夏休みに米ニューヨークに行こうと思ったら、例えば全日本空輸(ANA)のサイトを検索して、手軽な料金の便を予約して、旅行が近くなったらスーツケースをパッキングします。当日は空港に行ってチェックインし、飛行機に乗って現地に着いたらホテルに向かい、そこに泊まって観光をして、ホテルに戻ってチェックアウトして帰国します。

 この一連の流れがカスタマージャーニーで、一つひとつの接点が重要になってきます。企業側から見て、予約のシステムがお客様にとって便利につくられているのか、到着した時にお客様の状態をきちんと把握できているのかなど、お客様の行動を長いスパンで見ておかないと、リピーターとして戻ってきてもらえるかどうかわかりません。

――どのぐらいのスパンで見るのですか。

加藤 ビジネスモデルに応じて、カスタマージャーニーのスパンは1日、1カ月、1年、長ければ一生涯というスパンもあります。三井住友カードの場合は、一生涯を通じたジャーニーの視点がありました。コモディティ化、成熟が進むカードの市場環境においては、既存の顧客との関係性を重視する流れにありました。また三越伊勢丹の場合は、新規顧客との接点、来店したお客様の店内における体験接点、さらには子供や孫の世代までの一生涯を通じて家族全体を考える必要があり、3つのジャーニーが存在しました。

 さらに車の場合、車検を契機として買い替えのタイミングは、平均すると8年ぐらいでしょう。つまり8年間のカスタマージャーニーがあるわけです。そのなかで各メーカーの車を比較して、ディーラーに行って、見積もりを取って、試乗をして、購入をするという流れがあるのです。

 企業側はこの間のお客様の考えや行動を把握して効果的に接点を設けておけば、8年も経たないうちに乗り換えてもらえる可能性もあります。ビジネスモデルや商品によってカスタマージャーニーは違っているので、まずはお客様を理解しましょうというのが、カスタマージャーニーの精神です。

企業とのコミュニケーション機会が細分化

――なぜ、カスタマージャーニーが問われるようになったのでしょうか。

加藤 お客様の行動やビジネス環境が劇的に変化しているからです。10年前や20年前なら普通にテレビコマーシャルを流せば、多くの人たちに一斉にメッセージが届きました。車を買う場合は、コマーシャルで新車の発売を知ってからディーラーを7~8つ回って情報を収集して、購入を決定していました。

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11:30更新
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