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トヨタレクサス、なぜ表参道でカフェを開いている?カスタマージャーニーの時代

構成=編集部
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 しかし今はネットで情報収集ができてしまうので、10年前とはジャーニーが変わりました。車種を決めてからディーラーに行くので、訪問回数は平均1~2回といわれています。お客様が訪問前に購入基準を定めているので、企業側はコントロールできません。

 さらに、メールの一斉同報からスマートフォン(スマホ)にLINEなどでメッセージが流れてくるようになったため、お客様は、いつ、どこにいても情報とつながる状態になりました。企業とのコミュニケーション機会は細分化されて増えました。このデジタルテクノロジーによる変化がスマート化と呼んでいるものです。企業はどの接点で、どんなコミュニケーションを取るべきかを把握しておかないと、他社に置いていかれてしまいます。

――本書では、人口減少も大きな変化として言及されていますね。

加藤 実は人口が減少していくなかで世帯数は増えているので、たとえば洗剤の市場は拡大が予想できます。現に浴室用の洗剤が売り上げを伸ばしています。人口変動による影響は大きく、日本人の平均年齢は2020年に48歳、50年には53.4歳になって、2.5人に1人が高齢者になっていきます。

 ローソンやレクサストヨタ)はお客様との接点を変えようと新たなチャレンジをしています。

 ローソンの場合は、お店のスローガンで「健康」をうたい、グリーンスムージーを中心とした品揃えを行うなど、健康志向の新たなお客様、特に女性や主婦層との接点を作り出しました。

 レクサスが東京・表参道に「INTERSECT BY LEXUS」を開設したのも、レクサスの世界観を伝える新たな取り組みです。自動車に対する関心がある層、さらにレクサスに対する需要が顕在化した層は、オウンドメディアを見たり、ディーラーに足を運んでくれたりします。一方で、これからの市場開拓を見据えると、現時点では自動車やレクサスに対して接点の希薄な人たちともコミュニケーションを取れる場づくりを行う必要があります。カフェといった空間、動画、食のイベントなど、レクサスの機能性を訴求するのではなく、あくまでレクサスの世界観を伝える場で、さらにその伝え方も、企業の一方的な発信ではなく、消費者の日常行動を踏まえ、その文脈の中で自然に接点を創る取り組みをしています。

 人口減少に対してビジネスを変革しなければならないことは、カスタマージャーニーという視点からも理解できます。

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11:30更新
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