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瀕死のラブホテル業界、政府が異例の「積極的活用策」を実施…なぜ中国人はお断り?

文=岡田光雄/清談社
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衰退の一途をたどっているラブホテル業界

 この政府方針の転換を歓迎しているのが、ほかでもないラブホテル業界だ。

 1970年代以降、日本各地にお城型の外観や派手なネオンサイン、回転ベッドなど、豪華な設備のラブホテルが次々につくられた。80年代には、ラブホテルは開業すれば確実に儲かる業種となり、業界全体も急成長。最盛期には全国に2~3万軒のラブホテルがあったという。

 しかし、84年の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)の改正や各自治体の規制強化などの影響もあり、90年代後半にはラブホテル業界は低迷する。

 決定打となったのが、少子高齢化社会の到来だ。ラブホテルが誕生した前後の70年当時、メインの客層である若者(20~39歳)の割合は全人口の35%と「約3人に1人」だったが、それが2010年には25.1%と「約4人に1人」まで減少。その数少ない若者も、今はカラオケボックスやインターネットカフェなど、ラブホテル以外の場に奪われてしまっている。

 その結果、ラブホテルの数は15年に5805軒にまで激減(警察庁調べ)。今や、かつての利用客だった団塊の世代の高齢者をターゲットに細々と商売をしているのが実情で、業界は衰退の一途をたどっているのだ。そんな中、政府が一般ホテルへの改装を後押ししてくれるとなれば、歓迎しないわけがない。

 実際に、ラブホテルから一般ホテルに転業して成功を収めたケースも存在するという。

「例えば、埼玉県さいたま市郊外、Jリーグ・浦和レッドダイヤモンズの本拠地である埼玉スタジアム2002近くにある『ホテルWILL浦和』は、10年前まで月約1600万円あった売り上げが年々下降し、最近では約600万円まで落ち込んでいました。

 そこで、1億5000万円の改装費をかけて一般ホテルに転業。建物構造や設備に課される法律上の義務も変わり、フロントや食堂を新設して、ピンクだった壁紙も白色に統一、ベッドもダブルからツインに変更しました。

 さらに、改装後は中国の旅行会社と提携し、ターゲットを中国人観光客に転換したのです。それにより、現在では連日3~4台の大型観光バスが乗りつけるなど、満室状態が続いています」(同)