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舘内端「クルマの危機と未来」

トヨタの新型プリウスPHV、満充電に14時間…それでも人類の目指すべき方向性に一致

文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表

 一方、EV燃料電池車(FCV)は生活習慣に変更を求める。とくに充電が絶対に必要なEVには、ライフスタイルの大幅な変更が求められる。ただし、EVの環境負荷は大変に少なく、エネルギー安全保障上も有益である。

 果たして私たちは現在のライフスタイルのまま、地球温暖化や石油エネルギー問題に対応できるのか。強い拘束力を持つパリ協定では、今世紀後半の二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにするという方向性が採択された。これは、大幅なライフスタイルの変更を求めたものではないだろうか。

 そうした意味で、従来の生活習慣のまま使うこともでき、充電という新しい習慣を手に入れれば、さらにCO2を削減できるというPHVは、EVよりも普及は捗るかもしれないが、パリ協定がめざす新しい世界の在り方に向かう途上の自動車であるといえるだろう。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)

※注1:日本EVクラブが主催する「最新EV・PHEV試乗&セミナー」における「Q&Aコーナー」での質問から。

舘内端/自動車評論家

舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれ、日本大学理工学部卒業。東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。
現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。
94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。
2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。
10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。
EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書は、「トヨタの危機」宝島社、「すべての自動車人へ」双葉社、「800馬力のエコロジー」ソニー・マガジンズ など。
23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。
日本EVクラブ

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