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東京五輪組織委参与の間野義之・早大教授に聞く、新しい施設設計思想への転換

東京五輪、当初予算の6倍の2兆円に…破綻したコンパクト五輪、「引き算」の五輪で

構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト
東京五輪、当初予算の6倍の2兆円に…破綻したコンパクト五輪、「引き算」の五輪での画像1さいたまスーパーアリーナ(「Wikipedia」より/PRiMENON)

 2020年に予定されている東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用が昨年末、当初見込んでいた3013億円の6倍の1兆8000億円に拡大、さらに東京都が負担する大会後整備費用、2241億円を含めると、2兆円を大きく上回ることが明らかになった。

 計画では東京圏にある33会場のうち28会場を、東京湾岸の晴海地区の選手村から半径8km以内に集約する「コンパクト」な会場配置とすることを打ち出したが、見直しなどでバトミントン会場に予定されていた「夢の島ユース・プラザ・アリーナA」の新設は中止され、武蔵野の森総合スポーツ施設を活用することになった。また、バスケットボール会場に予定されていた夢の島ユース・プラザ・アリーナBも新設が中止され、「さいたまスーパーアリーナ」で開催される。

 さらにセーリングの「若洲オリンピックマリーナ」は「江の島ヨットハーバー」が活用されることになったが、それでも東京都が負担する建設費の急増は避けられない。バレーボールなどで利用される「有明アリーナ」の建設費は、招致時の176億円から404億円へ2.3倍も跳ね上がり、カヌーやボートで使われる海の森水上競技場は招致時の69億円から491億円へ7.1倍も跳ね上がっている。そのほか、「大井ホッケー競技場」は1.9倍の48億円、「カヌー・スラローム競技場」は3倍の73億円、「オリンピックアクアティクスセンター」は2.1倍の683億円に跳ね上がっている。

 こうした状況のなかで8月2日に就任した小池百合子東京都知事は、外部の有識者などを委員とする「都政改革本部」を設置して、東京五輪・パラリンピックの関連事業や、都や都が出資する団体の業務、予算、組織の総点検に乗り出している。

 果たしてオリンピック推進の在り方は今のままでいいのか。公益財団法人東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の参与を務める間野義之・早稲田大学スポーツ科学学術院教授に話を聞いた。

「引き算」の五輪

――2020年の東京五輪の費用が当初の6倍の2兆円を超えるとみられています。

間野義之氏(以下、間野) 先月、リオデジャネイロ五輪を見てまいりましたが、本当によかったと思いました。彼らはぎりぎりの社会状況のなかでミニマムでやっている。ハード、輸送・セキュリティーなどは60点でぎりぎり合格という感じですが、日本は100点満点を目指している。しかし、本当にそんな必要があるのでしょうか。

――どういうことでしょうか。

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