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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

粗悪な「偽物」エキストラバージンオリーブオイルが野放し?美容・健康効果なし?

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

「油=ダイエットの敵」は誤解

 そういうなかで筆者が心底あきれてしまうのは、あたかも油がダイエットの敵であるかのように語っている人たちがいることです。カロリー中心主義に陥っていると、「摂取カロリーが消費カロリーより大きいと太る」というあまりにも単純な理論が、正しいことであるかのように誤解してしまいます。

 その考えの延長線で、カロリーが高い油はなるべく摂取しないほうがいい、というこれまた単純な結論が導き出されてしまうのです。栄養学では、油はどんなものでも1グラム=9キロカロリーの物質でしかありません。その油が含んでいる脂肪酸の種類などにはまったく着目していないので、カロリーを低く抑えれば健康的な食事だと勘違いし、その結果、油はダイエットの敵といった発想になってしまうのです。ちなみにたんぱく質も炭水化物も1グラム=4キロカロリーとされています。カロリー計算だけでダイエットを考えるのは、まったく無意味なものです。

 読者の皆様には、油(脂肪)を摂取しないことは正しいダイエットではないと、知っていただきたいと思います。適正に油を摂取せずに健康的な食事を組み立てるのは不可能です。なぜならば、私たちの体には油が必要だからです。ただし、油ならばなんでもいいのではなく、質を考えなければなりません。

 油には、たくさんの種類があります。そのうち、絶対に食事で摂取しなければならないのは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸で、この2つの脂肪酸を「必須脂肪酸」と呼んでいます。この2種類がしっかり摂られていると、体内で合成されるのがオメガ9脂肪酸です。したがって、オメガ9脂肪酸は必須ではありませんが、適量を積極的に摂取したほうがいい脂肪酸でもあります。

 オメガ9脂肪酸には、オレイン酸をはじめとしてエライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸などの種類があります。そのなかで私たちが日常的な食事でもっとも摂取しやすいのはオレイン酸だと思います。

オリーブオイルは粗悪品が氾濫

 そのオレイン酸を多く含んでいるのがオリーブオイルなのですが、このオリーブオイルは玉石混交で、しかも日本ではオリーブオイルの品質に関する規制が甘いため、情報がまちまちで混乱を招いているというのが実情です。

 たとえば、「エキストラバージンオリーブオイル」という表示を付けることに関しての規制はまったくないため、酸化度のことも問われず、ひまわり油や菜種油などが混合していても責任は問われません。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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