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汚れた韓国スポーツ界、小学生まで八百長蔓延…監督がカネで勝敗を売買、自殺者や永久追放も

文=高月靖/ジャーナリスト
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 イ・テヤンは弱冠23歳の若手有望株。ブローカーと共謀し、昨年5月から9月にかけて故意に四球を出すなどして2000万ウォン(約190万円)を受け取っていた。量刑は懲役10カ月・執行猶予2年、追徴金2000万ウォン。この事件ではまたネクセン・ヒーローズのムン・ウラム外野手も、八百長に加担したとして摘発されている。24歳のムン選手は入団1年目のルーキーだ。そのほかプロ球団OBや社会人野球コーチがブローカー役を務めていたとされ、球界ぐるみの構図が見え隠れしている。

 プロの八百長はもちろん野球だけではない。プロサッカーでは11年のユン・ギウォン選手の自殺に端を発する一連のスキャンダルが、アマチュアを含む選手58名の永久追放に発展した。野球、サッカーとともに韓国で四大プロスポーツに数えられるバレーボール、バスケットボールも大同小異だ。バレーボールは12年、選手とOBら16人が違法賭博サイトと共謀して八百長を行っていたことが発覚。なかには自ら賭博に参加し、1ゲームあたり1000~2000万ウォン儲けていた選手までいた。バスケットボールも13年にプロチームの監督が金銭を受け取って試合結果を操作していたことが発覚し、懲役10カ月の実刑判決を受けている。

小学生の不可解なプレーに観客が騒然

 プロの場合はいずれも違法賭博との癒着が原因であり、似た事件は日本でも珍しくない。とりわけ韓国はプロ選手の収入が全般的に低く、最も人気のあるプロ野球で平均年俸が日本の3分の1レベル。ほかの競技では年俸2000万ウォン以下の選手も多い。困窮する選手たちにとって、八百長の金銭的な誘惑に負けるのは理解できる。

 それでも不可解なのは、アマチュアも大学生から小学生まで八百長と無縁ではないことだ。05年には韓国の国営放送KBSが、高校生の野球大会で長期的・組織的な八百長が行われていると報道。11年には中学生の野球大会で、良心の呵責に耐えかねた審判が地方の野球協会ぐるみの八百長を内部告発した。

 小学生の八百長事件で有名なのは、11年の全国小学校サッカーリーグ対抗戦だ。相手選手にわざとボールをパスするなど不自然な試合があり、観客から疑問の声が殺到した。のちに大韓サッカー協会の調査で、両チームの監督が共謀して試合結果を操作したことが判明。両監督に無期限資格停止、また双方の小学校チームにも翌年の出場資格取り消しなどの処分が下された。

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