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リオ五輪、ずさん運営で大混乱…それでもリオ市民は親切&楽しすぎて「最高」だった!

文=小崎仁久
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 案内ボランティアがいないわけではなかったが、十分に対応できるだけの人員には達していなかった。また、駅から競技場までの道案内のボランティアも少なく、場所によってはまったくいなかったのだ。案内看板や五輪の垂れ幕、旗も削減されたこともあり、目印になるものもなく、不安なまま競技場まで歩くこともあった。

不足をカバーした国民性

 2012年のロンドン五輪では、約7万人の大会ボランティアに加え、ロンドン市による観光ボランティア「ロンドン・アンバサダー」8000人が市内に配置され、会場内だけではなく、街の中のどこにいても、振り向けばボランティアがいるような状況だった。

 4年前のロンドンを思うとかなり戸惑ったことは間違いないが、このリオの様子にイライラすることもあきれることもなかった。それは、足りない部分は大きいが、その穴を補って余りあるものがあったからだ。

 前述したように、乗り換えを一日に何度も強いられ、地下鉄もBRTも駅も完成して数日というところばかりで、道に迷うことは多かった。しかし、道端でちょっと立ち止まってキョロキョロしていると、出勤途中のスーツ姿の女性が寄ってきて「どこへ行きたいの? それならあっちよ。楽しんで!」と声をかけてくれた。また、便利そうな地下鉄の路線図を持っていた若者に「それはどこでもらえるの?」と聞くと、彼は英語を話せなかったが意味は理解したらしく、その路線図を私の手に押しつけて、笑顔で去っていった。

 英語の話せるスタッフは少なかったが、個人的にはそれも問題とは思えなかった。

 7月に完成したオリンピック・シティー・ミュージアム(オリンピック・スタジアムに隣接)を訪れた際は、閉館しており開館日を聞いてもポルトガル語でしか返ってこなかった。そのうち上品な婦人や、子供を連れた女性らが集まってきて皆で私に説明してくれるのだが、片言の英単語も出てこないのでわからない。十数人が私の周りでどうするかを考えてくれ、英語の話せる警察官をわざわざ呼んでくれた。結局、オリンピックが終わらないとオリンピック・シティ・ミュージアムは開館しないというなんとも不可思議な話だったのだが、皆で肩をすくめ大笑いして帰ってきた。

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