ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 「一人負け」ホンダ社長が初激白  > 4ページ目
NEW
片山修のずだぶくろトップインタビュー 第5回 八郷隆弘氏(本田技研工業 代表取締役社長執行役員)前編

「一人負け」ホンダ社長が初激白…リコール続出の裏で、前代未聞の進化的経営革命

構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

「一人負け」ホンダ社長が初激白…リコール続出の裏で、前代未聞の進化的経営革命の画像4

 ホンダは、スーパーカブに代表される「生活を豊かにする商品」と「NSX」や「ホンダジェット」など「操る喜びを追求する商品」の両輪を持ちます。その両輪に対して、一つひとつの商品に対する思い入れを持ち、質を上げていくことが第一優先であり、結果として500万台の規模がついてきます。

片山 「生活を豊かにする商品」と「操る喜びを追求する商品」の両方が必要であると。

八郷 5年前、ホンダの軽は影が薄かったなか、僕は鈴鹿製作所所長として「N-BOX」の立ち上げを手掛けました。「N-BOX」をはじめNシリーズは売れたし、評価されているんですが、にもかかわらず「ホンダはなんだか元気がない」といわれます。社内でも、そう思っている節がある。

片山 「生活を豊かにする商品」だけでは元気が出ないということですね。「操る喜びを追求する商品」は、ブランド力を引き上げ、社内も元気にしますね。

八郷 もうひとつ、ホンダの強みといえるのは、二輪・四輪・汎用というモビリティの広がりを持っていることです。すべてのエンジンの数を合わせると、年間約2700万台をお客さまに買っていただいています。

片山 世界一のエンジンメーカーなのは承知していますが、意外と世間は、それを知りませんよね。

八郷 そうなんですよ。二・四・汎をコラボレーションして、ホンダのブランドを強くしていきたいと思っています。とくに日本を含む先進国は、若い人の自動車離れ、二輪離れなど、モビリティの楽しさが失われている。本田宗一郎以来、二・四・汎を手掛けるホンダだからこそできる、新しいモビリティの提案をしていかない限り、生き延びることはできないと思っています。

【八郷さんの素顔】

片山 ストレス解消法はなんですか。

八郷 クルマに乗ることです。休みの日は「S660」で、隣に家内を乗せてドライブ。それから、早起きしてバイクですね。400ccの「B400スーパーボルドール」に乗っています。ずっと乗ってなかったんですが、日本に帰ってきて乗ると、やっぱりいいですね。

片山 好きな食べ物はなんですか。

八郷 寿司です。

片山 行ってみたい場所はありますか。

八郷 ブラジルのマナウスですね。サンパウロなどは何度も行っているんですが、工場のあるマナウスにまだ行っていないんです。

(構成=片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家)

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家

愛知県名古屋市生まれ。2001年~2011年までの10年間、学習院女子大学客員教授を務める。企業経営論の日本の第一人者。主要月刊誌『中央公論』『文藝春秋』『Voice』『潮』などのほか、『週刊エコノミスト』『SAPIO』『THE21』など多数の雑誌に論文を執筆。経済、経営、政治など幅広いテーマを手掛ける。『ソニーの法則』(小学館文庫)20万部、『トヨタの方式』(同)は8万部のベストセラー。著書は60冊を超える。中国語、韓国語への翻訳書多数。

「一人負け」ホンダ社長が初激白…リコール続出の裏で、前代未聞の進化的経営革命のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!