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電車遅延で車掌が乗客から暴言受けホームへ逃亡…近鉄、厳しい処分は極めて困難である

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危機管理の甘さが招いた事件か


 中村氏が「再確認すべき」と述べている事項は、次のようなものだ。

・会社は、この車掌に限らず、全社員のメンタル面も含めた健康管理を普段から行っていたか。乗客の命を預かる会社として、当然できていないといけない。

・健康管理などの結果に基づき、適正な社員の配置や人事異動などが行われていたか。メンタル面で不調を抱える社員を、負担のかかる部署においていなかったか。

人身事故や車両故障などによって運行に遅延が生じたときの乗客への対応を、きちんと車掌らに教育・訓練していたか。それも、漠然と教育・訓練をするのではなく、教育効果が表れるように実施できていたか。

・興奮した乗客が詰め寄ってきたときなどにどう対応するのか、という危機管理マニュアルがあったのか。それをもとに、教育・訓練をしていたか。

・今回、会社側は乗客らに人身事故などで電車が遅れることを適切なタイミングで伝え、繰り返し説明したか。

・日ごろから、乗客らへの「教育」をしていたか。すなわち、電車が遅れたときや人身事故が発生したときなど、乗客にどのように行動してほしいのかを普段からアナウンスしてきたか。

 さらに中村氏は、こう指摘する。

「少なくとも、これらのことを会社として継続して行っていたならば、今回のような大きな問題にはならなかったのではないか。乗客に対して説明が十分だったならば、車掌に詰め寄ることはなかったかもしれない。また、車掌も教育・訓練を十分に受けていれば、ここまでのことはしなかったかもしれない」

 そして、こう繰り返す。

「会社として、解雇などの厳しい処分をすることができるのは、これらをすべて実践できているときのみだと思う。十分にできていないならば、この車掌を厳しく処分することは難しいのではないか」

 だが、報道が事実ならば、鉄道会社として多くの乗客などに迷惑や損害を与えたことも否定しがたい。それを踏まえ、中村氏はこう予測する。

「実際のところは前述したように、厳しい処分をすることは難しいと思われる。しかし、これだけの騒ぎになっているので、なんらかの説明をせざるを得ない。そこで近鉄は、対外的に『この車掌には適切な処分を下し、今後は社員の再教育を徹底する』といったことを発表するだろう。本音とは異なっても、そのような建前によって解決を図るのではないか」

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