江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

食べログ、運営側が点数操作疑惑を否定…なぜ「公平さ」への疑問広がる?点数動いた理由

食べログ HP」より

 大手グルメサイト「食べログ」が9月6日に行った、店舗への点数評価に関するアルゴリズムのチューニングが、波紋を呼んでいます。

 飲食店「ウルトラチョップ」を経営する高岳史典氏は同日、自身のツイッター上で食べログの評価をいきなり3.0に下げられ、そこに食べログの営業担当者から連絡がきて、予約サービスを利用しないと検索の優先順位を落とす旨を伝えられたと投稿しました(食べログを運営するカカクコムは当サイトの取材に対し、「個別の事実関係へのコメントは控えさせていただきます」と回答)。

 この投稿がインターネット上で話題を呼び、カカクコムは9月7日、プレスリリースで次のようにコメントを出しました。

「自然検索で表示される点数及びランキングにおきましては、オンライン予約機能の利用是非に一切関係なく、これまでと同様ユーザーの評価を基礎に算出、表示をしております」

 今回は、この事件について原因や背景を分析してみたいと思います。

 私は飲食プロデューサーという仕事の関係上、自らも食べログに書き込みをしながら、他人のものも含めて書き込みが店舗の点数に及ぼす影響力や、アクセス数変化や来店指標の動きなどを日々分析しています。他のグルメサイトに比べて食べログの影響力はとても強く、それゆえに飲食店側としては無視できない存在として食べログに対して敏感になっている店も多く、毛嫌いしているお店もあるくらいです。

 通常なら評価3.0のお店よりは3.5以上のお店のほうが、来店を検討している人たちに「安心感」を与えます。自分のお気に入りのお店なら点数は気にしませんが、初めて行くお店や検索で見つけたお店の場合、行ったことのある人の評価が気になるのは当然でしょう。それゆえに食べログは、多くの人に利用されています。半面、閲覧者が多いのに、書き込みをしている人はかなり少ないのも特徴です。

今回の事件の原因

 以上の背景をもとに、飲食店関係者へのヒヤリングを踏まえて、今回の事件の原因について考察すると、主に以下の2つが挙げられます。

(1)飲食店点数評価基準(アルゴリズム)がブラックボックスである

 これは非常に重要な点で、飲食店のオーナーたちが食べログに不信感を持ったり嫌ったりする点でもあります。ブラックボックスであるがゆえに、さまざまな「憶測」が生まれることになります。「ブラックボックス=企業秘密」ということは、食べログの一部関係者以外は、誰も基準や答えがわからないので、そんな「見えないもの」に対する不信感から今回の事件は発生したと思われます。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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