「(自分のキャラは)一生やねん。続けなあかんねん」
これは、ハロプロのアイドル・ももちこと嗣永桃子に対して、明石家さんまが放った一言。最近、トレードマークだった「ももち結び」をやめて、ぶりっ子キャラもなりを潜め始めた彼女に対して、「お笑い芸人発想からいうと~」と前置きしてこうコメントしたのだ。
さらに、さんまは続ける。
「ファンからの俺のキャラ設定があったりすんねん」
「ファンはこういう俺を期待しているだろうから、それに乗っかってやろうと。本当はこのコメントしたくないねんけど、ファンはこういってほしいだろうからというのが、ゴチャゴチャになってきてん。ほいで、今、築きあがってる。60歳の明石家さんまが」
裏で行っている努力を見せたがらないさんまにしては珍しい発言。「ネアカ」だと思われがちなさんまだが、このコメントからもわかるとおり、どこかで自分自身を演じている節はあるのだろう。
思えば30年前、こんな事件もあった。『さんまのまんま』(フジテレビ系)に『こんにちは赤ちゃん』などのヒット曲で知られる歌手・梓みちよがゲスト出演した時。「昔は好きだった」といったさんまに対し、怒った梓がグラスに入った飲みかけのシャンパンをかけた。それも2回。1度目は笑ってやり過ごしたものの、再度やられたときは、さすがにさんまの表情にも憎悪が滲み出る。
しかし、そこから彼の本領が発揮される。煮えたぎる怒りを即座に冷却処理し、「あー冷たかったー!」とおどけてみせたのだ。張り詰めていたスタジオの空気が一瞬にして弛緩し、それまで怒っていた梓も思わず笑っていた。「ファンが期待している明石家さんま」を演じ続ける男だからこそできる、離れ業ではないだろうか。
こうした強烈なプロ意識を持ちながら、芸能界を40年以上走り抜けてきたさんまは、一般の人々が仕事でも生かせるような名言・箴言を多数残している。本稿ではその一部を紹介していこう。
「生きてるだけで丸儲け」
BEGINがさんまのために書いた楽曲『笑顔のまんま』の歌詞にもある、あまりにも有名な一言。自分の娘・IMALUの名もここから来ているあたり、さんまにとっていかに大事な人生訓かというのが窺える。