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富家孝「危ない医療」

異常な医学部ブームの罠…6年大学通った末に低収入&激務、儲けるのは困難

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医者として儲けるのは困難


 この問題に関しては、多くのメディアが取り上げている。たとえば、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/6月18日号)は、その理由を次のように解説している。

「医師になれば、食いっぱぐれがないことだ。その気になれば、70歳になっても働くことができるし、医師は激務とはいえ社会的地位も高く、勤務医であっても平均年収は1000万円を超えてくる。それに加えて、08年以降、有名私立大の医学部が、相次いで数百万円単位で学費を値下げし、受験しやすくなったことだ」

 それと高齢社会を迎えて、定年後に仕事があるのも大きな理由だろう。
 
 まさに、この通りだろう。ただし、これは「現時点で」という但し書きをつけなければならない。

 なぜなら、まず医者の収入は世間が思うほど高くないし、この先も高年収が続くかどうかは予測不可能だからだ。偏差値が上がり、優秀な学生ほど医学部に入るようになって、「親が医者」というぼんぼん学生が減った。昔は、こういう学生が偏差値の低い医学部に滑り込んでいたが、いまや優秀な一般家庭の学生に駆逐されるようになった。

 しかし、一般家庭の優秀な学生と親御さんは、大きな誤解をしている。親が医者か金持ちでないと、ほとんど開業医になるのは無理で、医者として儲けることは難しいからだ。

医者という職業の将来性


 偏差値秀才は受験競争の勝ち組だから、学費が私立に比べて圧倒的に安い国公立大の医学部に行くはずだ。しかし、その先にあるのは、研修医、大学病院の勤務医で、このどちらも薄給だ。収入は一般的な会社員とそう変わらないうえに激務だ。「30歳で1000万円」がエリートコースとされるが、大学病院勤務医はこの道から外れている。

 したがって、本当にお金を稼ぎたい医者は民間病院で勤務医になるか、開業医を目指す。全国の開業医の平均年収は2500万円を超えている。また、民間病院に勤務すれば、ヒラの医者でもいきなり年収は1000万円になるところもある。

 しかし、開業医は偏差値秀才では無理だ。なぜなら、いまや人口減社会で開業医は過当競争。そんななかに入って、どこからか融資を引っ張って病院を開きたいと言っても、そんなお金を出してくれるところなどない。一般的に、開業には最低1億円の資金がいるとされるが、なんの保証もなければこの資金を出す金融機関はない。

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