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特別対談 山田正彦元農林水産大臣×三宅洋平

日本破滅への不平等条約だった!? 誰でもわかる! TPPのココがおかしい

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山田 そうです。どんどん水道料金が上がっていますよね。

三宅 水道事業のような重要なインフラ事業を簡単に海外企業に渡すなんて……。日頃「国防」云々などと言っている人たちにしては、脇が甘すぎますよね。

山田 那覇でも、私の故郷の五島列島でもそうですが、地方というのは、公共事業を地元の土建企業や設備会社に任せて、それで活性化を図ってきた。地方の活性化事業条例はじめ、いろいろやってきましたが、TPPが批准されたら、それもできなくなってしまいます。公共事業であっても、地元企業と外資とを平等に入札させなければいけませんから。

三宅 漁業もそうですよね。これまでは、地元沿岸に優先的に漁業権があったのに、無茶苦茶ですね。安倍さんは、日本の農業の輸出額を1兆円に増やす、と言っていますが、どうなんでしょう?

山田 あれは全くのまやかしです。というのも、日本の生鮮農産物の輸出額は350億円なんです。あとは、ポカリスエットなんかのような清涼飲料水で、それを合わせて1兆円だと言っているんです。

三宅 つまり、加工品も合わせての1兆円だと。

山田 そうです。いくら日本の農産物の品質が良くても、食品表示ができなければ売れるわけがありません。

三宅 農産物は、やっぱり地産地消したほうが、身体にも良いだろうし、地元経済の活性化にもつながります。本来は推奨されるべきことなのに、そうしたシンプルな政治の役割が機能しなくなってしまいますね。

山田 もうひとつ、三宅さんはミュージシャンとしていろんなところで歌ったりみんなに語ったりしていますよね。僕もあちこちで講演しますが、その際、いろんな人の意見を聞いて、シェアして、時には資料のコピーをとったりする。そのコピーを参考資料として配ることもありますが、これも、書いた人の承諾がなければ、電磁的一時的記録として、著作権法に抵触してしまうようになるんです。しかも、従来の親告罪から非親告罪になる。これは大変なことです。

三宅 著作権者が訴えなくても、例えば警察が「これは著作権法違反だ」といって逮捕・立件することができるようになるんですね。

山田 そうです。君だって、いろんな人のものをコピーをとって拡散したりすれば、逮捕されることになる。特に、反政府的な言動をしている人は、私もそうですが(苦笑)、気をつけないといけない。

三宅 反政府的な言動をしている人(苦笑)。

山田 しかも、非常に怖いのは、条文の中に、刑罰については拘禁刑と罰金刑を併科する、罰金については高額にすること、とあるんです。今、日本での著作権法違反裁判では、だいたい慰謝料としては20~30万円前後が相場ですが、アメリカでは、何千万~億単位と高額です。TPP協定では、将来の利益も損害として換算しろと書いてありますから、そうすると、例えば、本を執筆する時でも、下手に他人の文章を引用したりできなくなります。そうしたら、完全に言論の自由、表現の自由はなくなってしまいます。そうすると、これまでのように、君も僕も勝手なことは言えなくなります(笑)。

三宅 じゃあ、これからは黙ろうかな(笑)。それにしても、TPPで実現される世界というのは、ちょっと想像を絶するものですね。これまでは、“制約があって全体主義的な社会≒社会主義や共産主義”であって、それと対照的なのが、自由のある資本主義・商業主義だったと思うんですが、TPPの世界では、超大企業とそれに繋がるメガバンクだけが恩恵を受ける、商業的な全体主義が実現されてしまう。

BusinessJournal編集部

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