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マイナンバー制度、巨額税金投入でも「費用対効果は不明」(内閣官房)…IT業界向け公共事業

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 LASDECが手がけた「住民基本台帳カード」(住基カード)はまったく普及せず、結局、日本の全人口のたった5.5%程度の利用にとどまった。民主党政権時代の10年には、「事業仕分け」の対象にもなっている。LASDECは中央官庁から天下った役員や職員が多く、なかでも総務省OBだった当時の理事長の年収が1800万円と高額だったことで目を付けられたのだ。だが、マイナンバーのおかげでよみがえり、14年4月1日にJ-LISへと改組されていた。

「日経コンピュータ」(日経BP社/14年3月31日号)によると、そのJ-LISが一般競争入札で募った「番号生成システム」を68億9580万円で落札したのは、NTTコミュニケーションズを代表とし、NTTデータと富士通、NEC、日立製作所という、いずれも名の知られた5つのIT企業からなるコンソーシアム(共同事業体)だった。
 
 これらのIT企業の中には、地方自治体が行なう「システム改修」の請負先にもなっているところがある。

「日立製作所、富士通、NECが『大手3社』と呼ばれていて、ウチも日立さんとNECさんにお願いしています」(某政令市)

 表(1)~(5)に登場するIT企業の受注総額は、240億円以上。マイナンバーひとつでIT業界には、国と自治体の二方面から大量の仕事が舞い込むのである。

 報道によって見方に幅があるものの、マイナンバーの初期費用(イニシャルコスト)は2700億~3000億円、運用費用(ランニングコスト)は年に200億~300億円とされる。その原資はいうまでもなく、私たちが納めた税金だ。

IT投資自体が自己目的化した無駄遣い

 
 国であろうと民間であろうと、IT投資の目的は「業務の効率化」にあることは、論をまたない。にもかかわらず、同制度導入による「費用対効果」を国は説明できないという。おかしくないか。

「費用対効果について特段の数値目標が設定されていないが、行政効率化という本来の目的に鑑みれば、あり得ない」

 マイナンバー事業をはじめとした国のIT予算をこのように評したのは、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」である。15年6月1日、麻生太郎財務大臣に出した建議(上申書)の中の文言だ。さらに同審議会は同じ建議の中で、

「IT投資自体が自己目的化した無駄遣いとの批判は免れない」
 
と断じ、憤りをあらわにしていた。IT投資と対になっているのは「コスト削減」である。その削減目標額(=費用対効果)がなんら設定されていないというのだから、“単なる税金のバラ撒きではないか”と、同審議会が憤るのも無理はない。
(文=明石昇二郎/ジャーナリスト)







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