相手側の席まで買い占めるカープファン

 さらに、シーズンを通して問題となっていたのが、チケットに関することだ。マツダスタジアムでは、今まで簡単に購入できていたカープ応援席(ライト側)のチケットがすぐに売り切れ、10倍以上のプラチナチケットとなって転売業者に流れてしまうことも多かった。カープ側のチケットが買えないファンはビジター側(レフト側)のチケットを購入し、ビジター側のチケットも完売となることも珍しくなかった。だが、チケットが完売となっていても、ビジター側に空席が目立つことがたびたびあった。

 これは、ビジターチケットで入場し、内野席の後ろで立ち見をしてカープを応援するファンがいるために起きていると指摘されている。マツダスタジアムに「立見席」は存在しないが、立ち見自体は許容されているため、このような事態となるのだ。それに有効な対策を打たない球団や、カープファンを非難する声はシーズンを通して多かった。ひどい場合にはビジターエリアで堂々とカープを応援するファンもおり、ビジターチームのファンから「マナー違反だ」という声も多く聞かれた。

 マツダスタジアムに限らず、どの球場へ行ってもビジターエリア(一般的にレフト側)はビジターチーム以外のユニフォーム着用や応援をすることはマナー違反だ。内野席は基本的にホーム、ビジターどちらのファンでも入れるため、熱狂的なファンや応援団は外野席で応援する。そんな外野席で相手チームの応援をしていたら、揉め事が起こるのは避けられない。ファンが急激に増加したカープは、こうしたマナー違反が特に目立ち、一部のファンの「暴走行為」はインターネットを中心に物議を醸している。

 こうした暴走するファンについては、多くのカープファンも心を痛めているようだ。球団が対策を講じても、裏目に出たり、対応が追い付かなかったりすることもある。そのたびに他球団ファンの怒りの矛先がカープに向けられることは、すべてのファンが望んでいないはずだ。

 もちろん、暴走するファンはカープに限らず、どのチームにも存在する。好きなチームのユニフォームを着て球場へ行くということは、その球団の宣伝、アピールにもなっている。心から応援しているチームの評価を下げないためにも、野球観戦に行く前に最低限のマナーはチェックしたい。そして、対戦する相手チームにも、自分たちと同じように必死に選手たちを応援しているファンがいることを忘れないでほしい。

 プロ野球ファンの多くが注目する日本シリーズ。入手困難となることが予想されるチケットだが、もし買えなかったとしても自宅や居酒屋、パブリックビューイングなどで楽しむ方法もある。無限にあるそれぞれの楽しみ方で、今年最後の熱い戦いを見届けよう。
(文=唐沢彩野/Sportswriters Café)

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