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東京株式市場で東宝の株価が高値圏で推移している。東宝の株価は8月31日以降に急騰。9月26日には年初来高値の3430円をつけた。年初来安値の2600円(6月24日)の1.3倍だ。
今夏配給の2本の映画がかつてない人気を集めているからだ。アニメ映画『君の名は。』は10代の若者の人気を集める。観客動員数は1000万人を超え、10月16日時点で1184万人に達した。人気に火をつけたのはツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)だ。
同作は美しい映像表現で知られる新海誠監督が手がけた。物語は都会に暮らす少年と田舎町に住む少女の意識が入れ替わり、地球に接近する彗星をめぐってストーリーを展開していく。
作品に描かれた場所を巡る「聖地巡礼」も活発化している。ツイッターでは「登場した新宿の場所に行ってみた」「モチーフになった町に行ってみたい」という投稿が目立つ。最近、多いのは「2回目を見ました」「また見に行こう」と、複数回映画館に足を運ぶ若者の投稿だ。
公開は8月26日。興行通信社の調べによると、10月23日までに興行収入は164.1億円でアニメ映画歴代5位にランクイン。興行収入155億円を記録した『崖の上のポニョ』を抜いた。200億円の大台に乗せるのは確実だろう。
【アニメ映画の興行収入ランキング】(興行通信社調べ)
作品名 興行収入 配給会社 公開年
1.千と千尋の神隠し 308億円 東宝 2001年
2.アナと雪の女王 254.8億円 ウォルト・ディズニー・スタジオ 2014年
3.ハウルの動く城 196億円 東宝 2004年
4.もののけ姫 193億円 東宝 1997年
5.崖の上のポニョ 155億円 東宝 2008年
6.君の名は。 ※164.1億円 東宝 2016年
(資料:興行通信社 ※は上映中で10月23日現在)
東宝によると、世界85の国・地域で配給が決まっている。10月21日に台湾、11月17日に香港、同24日に英国で公開される。
一方、『シン・ゴジラ』は7月29日の公開。日本政府とゴジラが真っ正面から対決し、恋愛の要素などがない硬派な内容が映画ファンに好評だ。こちらの興行収入は10月23日現在78.5億円。歴代興行収入ランキングで64位に入るヒットだ(興行通信社調べ)。