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名門・三菱重工の凋落…祖業・造船巨額損失で分離か、MRJも悲惨な開発遅延で損失膨張

文=編集部
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 17年3月期の業績については、これまで150億円の連結最終赤字を見込んでいた。が、赤字は2000億円を超えそうだ。経常損益段階で200~300億円の赤字になる(前期は600億円の黒字)。5期ぶりの赤字だ。

 日本郵船だけでなく、海運会社の業績は軒並み悪化した。そのため、日本の造船会社の合計受注量は、今年に入り前年比8割減まで急減し、底入れの兆しはない。

造船事業の分社化は不可避か

 三菱重工は、ドル箱の火力発電用ガスタービン事業と、将来の収益の柱になると期待している航空機事業に集中する。造船事業の売上高は2000億円と全体の5%にとどまっており、建造量では国内で10位以下。すでに祖業という意味以上の価値はなくなった。造船事業を縮小した後は、造船事業を分社化して本体の連結決算から切り離すことになるとの見方も強い。

 選択肢は2つある。ひとつは13年1月にJFEホールディングス、IHIの造船事業が統合したジャパン マリンユナイテッドと、分社化した造船部門が合流する方法。もうひとつは、提携する今治造船、大島造船所、名村造船所が、三菱重工から分社した会社に出資して、三菱重工は持分法適用会社にする方法。いずれにせよ、造船事業の分離は時間の問題とみられている。

 しかし、将来の収益の柱と位置づけている航空事業も大苦戦だ。社運を賭け、三菱航空機(愛知県)が開発する国産ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)でも、納期遅れから3000億円ともいわれる開発費が、さらに膨らむ可能性がある。

 さらに米国では原子力発電所の事故をめぐり、約7000億円の損害賠償訴訟を受けている。米サンオノフレ原子力発電所で三菱重工が納入した蒸気発生器から放射性物質を含む水が漏洩した事故で、電力会社など4社から損害賠償を求められている。

 三菱重工を取り巻く環境は厳しさを増している。
(文=編集部)

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