中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

スマホやゲームで年20万円も出費増…生活困窮の元凶・デジタル費はこう見直せ!

「Thinkstock」より

家計はどんどん変わっている デジタル関係費の膨らみが大きい

 かれこれ20年以上、ファイナンシャルプランナーとして一般の方々の家計を拝見しているが、家計のあり方はどんどん変化している。だから親の世代の「節約テクニック」「貯金の知恵」は、もう役に立たなくなりつつある。

 ここ20年間、日本の物価水準はあまり変わっていない。ところが、収入が同じでも生活はむしろ苦しくなった感がある。

 というのは、デジタル関係費がどんどんかさむようになったからだ。インターネットが登場する前は、家庭の通信関係費は固定電話と郵便切手代くらいで、一家庭で毎月3000~4000円くらいだった。その後ネットが普及し、家庭でも回線料金とプロバイダー料金を毎月数千円払うことになる。携帯電話を持つようになると、家族4人の合計料金が数万円になり、従来型携帯電話(フィーチャーフォン)がスマートフォン(スマホ)に変わると、通信料はさらに増えた。

 通信料だけじゃない。パソコンやスマホは定期的に買い換える。アクセサリやソフトウェア、アプリ、コンテンツを購入し、音楽や映像など各種有料サービスを利用するようになる。

 ひとり暮らしの例で考えてみよう。

・パソコンのネット利用料:月5000円
・スマホの通信料:月7000円

 これだけで、すでに1万2000円だ。これに加えて、次の出費がある 

・パソコン:約10万円のものを4年に1度買い替える(月2083円)
・スマホ:約7万円のものを3年に1度買い換える(月1944円)
・アプリやコンテンツ、ゲーム代:月1000円
・音楽配信サービス:月1000円
・映像配信サービス:月1000円    
・通信販売のプレミアム会員:月300円

 以上はデジタル費の出費が控えめなユーザーの例だが、これでも月当たり約2万円、年24万円。20年前より月1万7000円、年20万円以上も出費が増えていることになる。

 現実には、これにタブレットやスマートウォッチ、アクセサリなども加わる。夫婦では年30万円、家族で年50万円以上の出費増。少ない昇給では生活が年々苦しくなるはずだ。

デジタル費をどう節約するかが、これからの家計のテーマ

 デジタル費はこれから、ますます増えて家計を圧迫することになりそうだ。そのままにしておくと貯金ができず、借金がふくらむことになる。それを避けるためデジタル費をどう節約するかがこれからの大きなテーマだ。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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